研究課題
特別研究員奨励費
食文化の欧米化や運動不足に伴い、糖尿病は、年々増加の一途をたどっている。現在、我が国の成人の5人に1人、40歳以上では3人に1人が糖尿病とその予備軍をいわれている。これによる死亡率の上昇や、医療費の増大は社会的な問題となっている。近年、魚油に豊富に含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸が循環器疾患をはじめ糖尿病などに予防効果をもたらすという報告が数多くされ注目されている。しかしながら、その作用メカニズムは未だに不明な点が多い。そこで、本研究では、実験動物を用いてオメガ3系多価不飽和脂肪酸の糖尿病に対する予防効果を検証し、プロテオミクス・ペプチドミクスの手法を用いて、その作用メカニズム解明を目指し研究を進めている。昨年度までに、55%脂肪含有食で誘導した糖尿病に対するオメガ3系不飽和脂肪酸の効果を調べ、オメガ3系不飽和脂肪酸による明確な糖尿病抑制作用を確認することに成功した。本年度は、このマウスの肝臓を用いて、大規模なプロテオーム・ペプチドーム解析を行った。その結果、合計で3469種類のタンパク質が同定され、その内の287種類のタンパク質がオメガ3系不飽和脂肪酸によって変動した。さらに、変動したタンパク質のパスウェイ解析を行い、糖尿病抑制に関与する脂肪酸分解経路、PPARシグナル経路のタンパク質が増加し、糖尿病の進行に関与する糖新生経路、脂肪酸合成経路のタンパク質が減少していることを明らかにした。これにより、オメガ3系不飽和脂肪酸による糖尿病予防効果を分子レベルで明らかにすることに成功した。
(抄録なし)
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件)
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