研究課題/領域番号 |
11J10939
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小山 耕平 京都大学, 生態学研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | フラクタル / 樹木 / 光合成 / 葉 / スケーリング / べき乗則 / 対数正規分布 / 枝 / 植物 / 形態 / ウバユリ / パターン形成 / 動的スケーリング則 / 野外生態系 |
研究概要 |
林業の多面的機能である、森林の一次生産量(炭素吸収量)、およびその気候変動に対する応答を定量的に評価するためには、枝葉レベルの反応から、森林レベルの反応を結ぶ理論が必要である。森林の機能は、それを構成する、各地点の微環境や枝葉の生理活性の、空間分布および頻度分布(統計分布)によって、決定されるといえる。 研究代表者は、植物の形態および機能のフラクタル構造を明らかにするために、草本の形態計測を行った。その結果、草本の成長において、申請書で予測した結果(フラクタル成長による動的スケーリング則、および、成長するパターンの時間依存べき乗則)が得られた。また、これらの結果を査読付き英文誌に論文として発表した。,本研究の成果は、これらの「非生物・制御環境下」でのパターン成長に於いて研究されてきた動的スケーリング則、および時間依存べき乗則を、野外生態系に於ける植物の成長へと拡張するもので、これまでに全く報告例のない、画期的なものである。また、日本生態学会において、樹木等のフラクタル構造に関するシンポジウムを主催し、その内容を総説(査読あり、主著2編、共著2編の合計4編)として日本生態学会誌で報告した。 また、数理モデルから、フラクタル構造をもつ植物の個体内各部分の受光量や成長速度の頻度分布は、対数正規分布となるという予測を得た。樹木の測定結果は予測と一致し、樹木における末端枝の成長速度は、個体内で対数正規分布していた。さらに、この分布が、樹木のフラクタル構造から説明できることを解明した。世界で初めて、樹木のフラクタル構造から、森林内部の環境および各器官の生理反応の不均一性を定量的に説明する理論を構築できた。この成果の学会発表により、2012年日本生態学会近畿地区会奨励賞を授賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまでの研究期間で得られた成果について国際誌原著論文・国内学会誌等で多数発表しているだけでなく、当該年度の成果について、2012年日本生態学会近畿地区会奨励賞を授賞している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の計画として、木本(アカメガシワ、コナラ、イヌツゲ、シキミ)等の伐採を行い、それらの当年枝の成長量の計測を行って、樹木個体内の光合成速度の個体内分布(植物個体内・受光量と光合成量のフラクタル分布)を明らかにする。
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