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神経管閉鎖におけるカスパーゼ活性化の生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J11079
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 発生生物学
研究機関東京大学

研究代表者

篠塚 直美  東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2011 – 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードアボトーシス / カスパーゼ / 神経管閉鎖 / 組織リモデリング / 哺乳類初期発生 / ライブイメージング / カスパーゼ活性化検出プローブ / アポトーシス / 形態形成
研究概要

初期発生に見られる形態形成過程の1つ、神経管閉鎖において、アポトーシス及びアポトーシス実行因子であるカスパーゼの活性化が重要な役割を果たすことが考えられてきた。これは、カスパーゼ欠損マウスが高頻度で外脳症や無脳症を示すためである。中でも、神経管閉鎖時の正中線接着部で起こるアポトーシスは、観察される部位の特異性から、正中線における左右神経板の接着と融合及びそれに続く神経管の表皮からの分離といった組織のリモデリングに寄与していると考えられてきた。実際に、これまでの研究から、口蓋や腹膜など左右から伸張してきた組織が1枚のシート状の組織となる融合部位でアポトーシスが起こり、組織融合を促進することが知られている。しかしながら、神経管閉鎖過程においては、実際にアポトーシスが正中線接着部でどのように働くかは不明であった。そこで、この点を明らかにするため、これまでに後脳神経管領域の1細胞レベルでの高解像度ライブイメージングに挑戦してきており、その観察に成功している。そこで本年度は、神経管が形成される過程で観察されるアポトーシスとして、正中線融合部に焦点を絞り、神経管形成期の組織の融合及びリモデリングに対するアポトーシスやカスパーゼ活性の寄与の解明に取り組んだ。この点を明らかにするため、正中線上の細胞の挙動、及びそこへのアポトーシスの寄与の解明に取り組んだ。その結果、閉鎖完了後の正中線上で細胞が閉鎖完了地点から遠ざかるように後退運動を示すことが、初めて明らかとなった。さらに、この後退運動はカスパーゼの阻害により抑制される事が明らかとなった。また、アポトーシスと後退運動の関係性を明らかにするため、細胞外基質分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼに着目したところ、マトリックスメタロプロテアーゼを阻害することによっても後退運動が抑制されることが明らかとなった。本研究で明らかとなった事実は、神経管閉鎖形成異常の発症メカニズムに迫るだけでなく、他の組織融合部位で起こる形態変化の解明の一助となる可能性を秘めている。そこで以上の結果については、現在、論文投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度は、前年度までに構築したシステムを活用する事で、解像度の高い高品質のデータを多く得ることができた。そして、得られたデータを用いる事で、観察事象のメカニズムに迫る事ができたと考えている。また、論文として投稿準備にとりかかれたという点で、研究計画は大いに進展したと考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、マトリックスメタロプロテアーゼの活性部位や活性程度の詳細な観察を行って行く予定である。さらに、生体内で実際に起こりうる現象であるかについて、より丁寧に観察する予定である。以上をまとめる事で、論文として投稿したいと考えている。

報告書

(3件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Live imaging of apoptosis in a novel transgenic mouse highlights its role in neural tube closure2011

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi, Y., Shinotsuka, N., Nonomura, K., Takemoto, K, Kuida, K., Yoshida, H., Miura, M.
    • 雑誌名

      Journal of Cell Biology

      巻: 195 号: 6 ページ: 1047-1060

    • DOI

      10.1083/jcb.201104057

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Time-lapse imaging in SCAT3 transgenic mice revealed the functions of apoptosis and caspase-activation during neural tube closure2012

    • 著者名/発表者名
      Shinotsuka, N., Yamaguchi, Y., Nonomura, K., Yoshida, A., Takemoto, K., Keisuke Kuida, Hiroki Yoshida, and Miura, M.
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor meeting, "Molecular pathways in organ development and disease."
    • 発表場所
      New York、USA
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] Live-imaging analysis of SCAT3 transgenic mice revealed the contribution of apoptosis and caspase-activation to the smooth progression of mouse cranial neural tube closure2012

    • 著者名/発表者名
      Shinotsuka, N., Yamaguchi, Y., Nonomura, K., Yoshida, A., Takmoto, K., Keisuke Kuida, Hiroki Yoshida, and Miura, M.
    • 学会等名
      第45回日本発生生物学会&第64回日本細胞生物学会合同学会
    • 発表場所
      神戸市
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] カスパーゼ活性化検出プローブ発現マウスを用いた生体イメージングによる哺乳類神経管閉鎖におけるカスパーゼ活性化およびアポトーシスの生理的意義の解明2011

    • 著者名/発表者名
      Shinotsuka, N., Yamaguchi, Y., Nonomura, K., Takemoto, K., Yoshida, A., Miura, M.
    • 学会等名
      第11回東京大学生命科学シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-06-04
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] Analyzing the role of apoptosis and caspase-activation during neural tube closure by using time-lapse imaging in SCAT3 transgenic mice2011

    • 著者名/発表者名
      Shinotsuka, N., Yamaguchi, Y., Nonomura, K., Takemoto, K., Yoshida, A., Miura, M.
    • 学会等名
      第44回日本発生生物学会
    • 発表場所
      沖縄
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

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公開日: 2011-12-12   更新日: 2024-03-26  

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