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循環調節ホルモンをリガンドとするGPCRの構造的理解と機能性抗体の合理的な創出

研究課題

研究課題/領域番号 11J40150
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 内分泌学
研究機関京都大学

研究代表者

万木 貴美  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2011 – 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2013年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード循環調節ホルモン / GPCR / リガンド / 結晶構造解析 / 機能性抗体
研究概要

メタボリックシンドロームでは、肥満とインスリン抵抗性を背景とする多くの代謝異常が重責し、心筋梗塞や脳血管障害、腎血管障害等が発症する。これらの血管合併症の発症および進展には、多彩な生理活性を有する循環・代謝調節ホルモンによる恒常性バランスの破綻が関与している。循環調節ホルモンの多くはG蛋白質共役受容体(Gprotein-coupled receptor : GPCR)を介して作用することが知られている。循環調節ホルモンの一つであるアドレノメデュリンは、強力な血管拡張作用による降圧物質として発見されたが、その後抗酸化作用、腎保護作用等の臓器保護作用も有することが明らかとなった。また、アドレノメデュリン欠損マウスは、血圧の上昇に加えて、動脈硬化や加齢に伴う肥満、耐糖能異常等が認められる。これらの結果はアドレノメデュリンがメタボリックシンドローム発症の分子基盤となっている可能性を示唆しており、その機能的・構造的理解は血管合併症の新規治療法に重要であると考えられる。血管合併症の治療には、これらの内分泌ホルモンおよびその関連因子の分子機構を理解し、メタボリックシンドロームの発症予防を含めた治療展開が必要となる。しかし、メタボリックシンドローム自体が多因子疾患であるため、いまだ不明な点が多い。そこで、万木らは循環調節ホルモンをリガンドとするGPCRのX線結晶構造解析により、血管合併症の包括的な理解と新規治療法の開発を目指している。万木らの開発したGPCRの大量生産技術を用いてそれに対する構造認識抗体を創出し、この抗体フラグメントと循環調節ホルモンをリガンドとするGPCRの複合体の結晶構造解析を行う。同時に、これらのGPCRの機能アッセイを組み合わせることにより、ターゲットGPCRの機能を選択的に制御する機能性抗体の作製を行い血管合併症の新規治 療法開発に繋げたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

循環調節ホルモとをリガンドとするヒト・アンギオテンシン受容体AT2サブタイプを発現、精製し、脂質二重膜中に再構築したプロテオリポソームを免疫することで、立体構造認識抗体を作製した。平成25年度は、昨年度に引き続きアンギオテンシン受容体AT2サブタイプ/抗体複合体の蒸気拡散法および脂質キュービックフェーズ法による結晶化条件のスクリーニングと結晶化条件の最適化をこころみたが、まだ分解能は上がってきていない。

今後の研究の推進方策

ヒト・グレリン受容体GHSRについて高発現株のスクリーニングを行った。その中で比較的安定な変異体を選び、昆虫細胞を用いて大量発現・精製を試みた。グレリン受容体は精製することができたものの、高濃度では凝集しやすく、熱安定性を調べてみたものの、結晶化に耐えられる程度の熱安定性を保持していないことが明らかとなった。平成25年度は、グレリンを発見した久留米大学の児島将康教授と共同研究しており、コムギ無細胞系で発現させたグレリン受容体がリガンド結合能を非常に高く保持していることを明らかとした。今後は、このサンプルを抗原としてグレリン受容体欠損マウスに免疫し、立体構造を認識するモノクローナル抗体を取得したいと考えている。

報告書

(3件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Platform for the rapid construction and evaluation of GPCRs for crystallography in Saccharoroyces cerevisiae.2012

    • 著者名/発表者名
      Shiroishi M., et al.
    • 雑誌名

      Micorb, Cell Fact.

      巻: 11 号: 1 ページ: 78-78

    • DOI

      10.1186/1475-2859-11-78

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structure of the human M2 muscarinic acetylcholine receptor bound to an antagonist2012

    • 著者名/発表者名
      Haga K., et al
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 482 号: 7386 ページ: 547-551

    • DOI

      10.1038/nature10753

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] G protein-coupled receptor inactivation by an allosteric inverse-agonist antibody2012

    • 著者名/発表者名
      Hino T., et al
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 482 号: 7384 ページ: 237-40

    • DOI

      10.1038/nature10750

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Structure of the human M2 muscarinic acetylcholine receptor bound to an antagonist2011

    • 著者名/発表者名
      万木貴美
    • 学会等名
      第84回日本生化学大会
    • 発表場所
      国際会館(京都府)(招待講演)
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

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公開日: 2011-12-12   更新日: 2024-03-26  

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