研究課題/領域番号 |
11J56402
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西川 純司 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 家庭空間 / 窓ガラス / 公衆衛生 / 都市空間 / インフラストラクチャー / 統治性研究 / 衛生実践 / 統治性 / 広告表象 |
研究概要 |
住宅における窓ガラスの受容から近代日本における家庭空間の編成の分析を主題とする本研究の目的は、2つに分けられる。1)統治性研究の観点から、近代日本における家庭空間の形成を窓ガラスという具体的な技術との関連で明らかにする。2)家庭空間の編成とグローバルな社会との連関を、窓ガラスという技術の視点から、確かめる。 本年度は、まず、国家による公衆衛生実践と家庭における窓ガラスとの関連を検討するために、前年度に収集した史料の分析を行った。大正期の都市計画をめぐる議論、とりわけ内務官僚であった池田宏の議論に焦点をあて、そこでは窓ガラスが都市衛生環境の改善のために日光を各住宅に供給する都市インフラとして理解されていたことを明らかにした。成果は、関西社会学会大会で口頭発表したほか、発展させたものを京都大学グローバルCOEプログラムのワークショップ(国際シンポジウム)およびプロシーディングスにおいて発表した。 また、英国社会学を中心にした文献研究を行った。そこから、2000年以降インフラストラクチャーを対象にした研究領域が一定の拡がりを見せていること、また、インフラが統治性研究や植民地研究のもとで分析される傾向にあること、が明らかになった。統治性研究におけるインフラの分析という視座は上記の1)、植民地研究におけるインフラの分析という視座は2)に対して、それぞれ有益な知見をもたらすものであった。成果の一部は、日本社会学大会にて口頭発表した。 さらに、グローバル社会との関連において家庭空間の形成を明らかにするために、パリでの調査を実施した。調査では、ガラスを早くから使用していたパサージュを主に調査した。調査後、ここから得られた知見を、以前行ったパサージュに関する理論的検討の成果と合わせて整理し、窓ガラスというモノの経験が家庭空間の形成に与えた影響を考察するための準備を整えた。
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