研究課題/領域番号 |
12002008
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
化学系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森島 績 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026093)
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研究分担者 |
若杉 桂輔 京都大学, 工学研究科, 助手 (20322167)
高橋 聡 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (30283641)
石森 浩一郎 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20192487)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
391,000千円 (直接経費: 352,000千円、間接経費: 39,000千円)
2003年度: 39,000千円 (直接経費: 30,000千円、間接経費: 9,000千円)
2002年度: 39,000千円 (直接経費: 30,000千円、間接経費: 9,000千円)
2001年度: 91,000千円 (直接経費: 70,000千円、間接経費: 21,000千円)
2000年度: 222,000千円 (直接経費: 222,000千円)
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キーワード | 蛋白質工学 / 生物物理学 / 生体分子 / 酵素 / 生物物理化学 / 分子設計 / モジュール / アロステリック蛋白質 / カルシウム結合ループ / ミオグロビン / 酸素結合能 / モジュールライゲーション / ペプチドライゲーション / タンパク質分子設計 |
研究概要 |
1.モジュール間相互作用の再生を目指した方法論の開発 ヘモグロビンα鎖のヘム結合モジュールをシトクロムb_5の対応する領域に導入したb_5αb_5を作製し、ランダム変異導入後、ヘム親和性を指標に構造力安定化している蛋白質のスクリーニングを行ったところ、ヘム結合モジュールに近接する特定の部位に変異が集中していた。そこで、構造上の歪みがかかっていると考えられるこれら残基に範囲をしぼってランダム変異を導入した変異体集団を作製し、さらに、スクリーニング過程に、崩れた構造の変異蛋白質を蛋白質分解酵素により除去するプロセスを新たに加え方法論の改良を行ったところ、モジュール置換蛋白質の安定性の向上に成功した。 2.新規機能性蛋白質の創製に成功 ヒトのトリプトファニルtRNA合成酵素(TrpRS)と相互作用する蛋白質を探索したところ、解糖系の酵素であるグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GapDH)がTrpRSと結合することが明らかになった。TrpRSと結合するGapDHの結合部位の特定を試みるために、様々なキメラ蛋白質を作製した。ミオグロビン(Mb)のN末端側にGapDHのあるモジュールを融合したキメラ蛋白質は、野生型Mb同様、酸素を可逆的に配位でき、またGAPDH同様にTrpRSと会合する安定な新規蛋白質であることが明らかになった。 3.酸化ストレス応答性新規グロビン蛋白質の分子機構の解明とその知見に基づく人工蛋白質の設計 「ニューログロビン(Ngb)」には酸化ストレスに伴う神経細胞死を抑制する働きがあると指摘されている。今回、このNgbが脳神経系においてシグナル伝達系を制御する分子として機能しているという仮説を立て、Ngbが関与する脳神経シグナル伝達系を明らかにすることを目指した。その結果、酸化ストレス下で生成する鉄3価Ngbが細胞内シグナル伝達蛋白質であるGαと特異的に結合すること、他方、通常の酸素正常状態の鉄2価NgbはGαとは相互作用しないことを発見した。また、Ngbは酸化ストレス応答性のセンサー蛋白質として働き、酸化ストレスを受けた時のみGαと結合し、GαのGDP/GTP交換反応抑制蛋白質として機能することにより、神経細胞死を抑制することを明らかにした。さらに、Ngbに関しモジュール置換した種々のキメラ蛋白質を作製し、それらの解析を行うことにより、制御メカニズムを分子レベルで明らかにすることに成功した。
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