研究課題/領域番号 |
12011101
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋田 喜代美 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (00242107)
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研究分担者 |
古池 若葉 東京理科大学, 第一理学部, 専任講師 (40307690)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 文字表記 / 写像原理 / 絵画表記 / 領域知識 / 三次元立体描画 / 縦断研究 |
研究概要 |
筆者らは先行研究を収集展望する中で文字、絵画両表記領域において慣習的な表記体系を獲得していくためには写像において3つの段階を経ることが必要であろうとのモデルを想定した。1)両表記領域の制約を分化し認識できるという表記領域の相違の認識、2)各領域で基本要素を獲得し遂行できるという表記領域の要素に関する基本的な知識とその使用の発達、3)各領域でのより高次の慣習的表記知識の獲得である。第1水準は、文字と描画表記領域の相違の理解、両領域の制約がどのように分化して認識されているか(何を写像するのかという要素と、写像における制約に関する知識理解)であり、第2水準は、両表記領域の表記を成立させる各要素の理解と使用の発達である。第3水準の習得は、第2水準よりも文化的に規定された慣習的で特殊な側面をより強く持ち、第2水準とは異なる新たな知識の獲得によって成立すると考えられる。 この筆者らの想定するモデルにそって、本年度は昨年度収集した幼児計61名への描画・書字課題、3次元立体課題を再分析すると同時に、同一幼児に対して1年後の縦断研究として、3次元立体課題に関して、円柱課題に加えてあらたに直方本課題を加えてデータの収集を行った。その結果、3歳時点から幼児は各表記領域における写像すべき要素に関しての知識を有していること、ただし実際にこれらの知識によって自らの表記を統制していくことは描画においても4歳頃からであること、さらにより高次の文化的慣習的知識においては三次元立体描画と空間知識の発達、助詞の書字と統語知識の習得が双方向的に進行し手続き的な暗黙知識から明示的な原理の自覚へと要因相互が影響しあって発達することが示唆された。
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