研究課題/領域番号 |
12011102
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
窪薗 晴夫 神戸大学, 文学部, 助教授 (80153328)
|
研究分担者 |
寺尾 康 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (70197789)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | プロソディー / 言語獲得 / 言語障害 / 言語学 / モーラ / リズム / 音声知覚 |
研究概要 |
前年度に引き続き、日本語のリズム構造(モーラ構造)が崩れる音韻環境を分析し、そのような反リズム現象が及ぶ範囲と起こる理由を考察した。前年度の研究から、日本語のモーラ構造が崩れる環境は、語末の長母音/短母音の対立であることが明らかになっていたが、今回は長短母音の中和現象が、音の知覚レベル、音響レベル、視覚による音の知覚(視覚情報に基づく音の区別判断)のレベルでも観察されることを明らかにした。とりわけ音響レベルの中和化については、東京方言話者(成人4名)を用いた音響実験を行い、(a)短母音・長母音を問わず語末の母音が語中の母音よ音声的に短くなること、(b)同じ傾向が撥音の「ん」を含む音節についても観察されること、(c)1モーラ音節(自立拍)についてはそのような位置による音節長の変動が極めて小さいこと、以上の3点を明らかにした。この結果は、日本音声学会の全国大会で口頭発表し、実験データの詳細をその予稿集に報告した。 この研究と並行して、日本語の幼児語彙・成人語彙に見られる音節構造の有標性について考察した。この問題については、幼児語から成人の言葉遊びに至る日本語の言語現象・過程を分析し、一定の音節構造の組み合わせが日本語の広範囲な言語現象に観察されることを指摘した。具体的には、2モーラからなる重音節(長音節)と1モーラからなる軽音節(短音節)の組み合わせ(つまり重音節+軽音節)がもっとも一般的で、逆に軽音節+重音節の組み合わせが忌避される傾向が強いことを明らかにした。また、この傾向が他の言語にはほとんど見られない傾向であることもあわせて指摘した。
|