研究課題/領域番号 |
12011205
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加我 君孝 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80082238)
|
研究分担者 |
佐々木 徹 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
山岨 達也 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60251302)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 先天聾 / 人工内耳 / 言語発達 / 音楽能力 / コミュニケーション / 中途失聴 |
研究概要 |
先天性聾児10名に対し、人工内耳埋込術を行い、術後の言語発達について調べた。全例とも生後1歳前後までに補聴器をフィティングした症例であるが、聴脳言語発達が不十分であるために、生後3〜4歳の間に、人工内耳埋込術を実施したものである。術後、片耳人工内耳、補聴器は反対側にそのまま使用している例が6例あった。 10例のうち6例は、人工内耳埋込術後は、著しく聴能と言語、構音が良好に発達した。その結果、コミュニケーションが円滑となっている。音楽認知についても聴能が向上して、歌唱能力や楽器の演奏も良好になっている。人工内耳においては成人の中途失聴者では音楽能力の回復が難しいが、先天聾の小児では音楽能力までが回復することも明らかとなった。しかし、残り4例には問題を認めた。1例では、聴覚音声回路の発達が、復唱が可能になったが、自発活が出現しない。これは、成人の超皮質性感覚性失語に類似しており、我々は、この状態を人工内耳による発達性感覚性失語と呼ぶことを提案したい。他の2例は、聴力検査上は、域値は良好であり、内言語の発達がゆっくりで、復唱も不十分である。ただし、補聴器だけの頃よりもコミュニケーションが良好。これは知的障害性との重複障害と名付けることにした。最後の1例は内耳奇形のために、電極の挿入ができた数は少なく、聴能の発達が認められない例である。恐らく聴神経の発達も不良なためと考えられた。
|