研究課題/領域番号 |
12011206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
林 安紀子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70238096)
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研究分担者 |
池田 一成 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (50293006)
橋本 創一 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10292997)
大伴 潔 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30213789)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 乳児 / 音声知覚 / 選好 / 言語発達 |
研究概要 |
本研究では選好聴取法を用いて、日本人乳児が連続音声中から日本語の語単位の構造を検出する手がかりについて検討した。昨年度に引き続き、日本語の育児語に頻繁に出現する語のリズムパタンに対して、乳児が特別に注意を向けるかどうか、またそのような感受性が示されるとしたらその出現時期はいつ頃なのか、について検討した。その結果、日本人乳児は生後7〜8ヶ月くらいから、語中に特殊拍を含む3モーラ型(RSR)の語形に対して選択的に注目を向け始めることがわかった。このように、乳児のRSR型の語形への選好が、生後半年以上の日本語聴取経験を経て現れるという発達変化を示したことは、言語入力が乳児の音声知覚に及ぼす影響という観点から興味深い。また、この選好が出現した時期は、英語学習乳児が英語に頻出する語形へ選好を示す時期とほぼ一致し、母語のリズム構造についての感受性の出現時期の言語普遍的特徴及び、言語獲得を支える認知的諸能力の発達との関連性を示唆している。さらに、RSR型語形は大人が乳幼児に向けて語りかけるという限定された環境で乳児が経験する語形であることから、愛着に基づいた対人的相互交渉の要因が初期の言語獲得に及ぼす影響がうかがえる。今後は、連続音声中から語単位の構造を抽出する能力の発達を検討し、RSR型の語形への選択的な注意が乳児の言語獲得の初期段階で果たす役割について検討するとともに、この発達に及ぼす障害の影響について検討する必要がある。
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