研究課題/領域番号 |
12012201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
増田 隆一 北海道大学, 理学部, 助手 (80192748)
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研究分担者 |
天野 哲也 北海道大学, 総合博物館, 助教授 (90125279)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ヒグマ / 分子系統 / ミトコンドリアDNA / 起源 / オホーツク文化 / クマ送り / 古代DNA / 考古資料 |
研究概要 |
北方民族の文化として知られるクマ送り儀礼の起源は、北海道およびサハリン南部を中心としたオホーツク文化期(紀元後6〜12世紀)の遺跡から発掘されるヒグマ遺存体にさかのぼることができる。本研究では、北海道礼文島におけるオホーツク文化期の香深井遺跡から発掘されたヒグマ考古資料(主に頭骨)の産地を同定することを目的として、ミトコンドリアDNAを指標とした古代DNAの分子系統分析を行った。現在、ヒグマは礼文島に自然分布していないので、香深井遺跡のヒグマは礼文島以外の地域から文化の交流とともに持ちこまれたものと思われる。これまでに解読することができた礼文島古代ヒグマの遺伝情報を北海道本島における現生ヒグマ集団のDNAデータと照らし合わせた結果、礼文島古代ヒグマのDNAには北海道の道央-道北型および道南型の2系列が存在することが明らかになった。これは、礼文島古代ヒグマが少なくとも道北地方および道南地域から持ち込まれたことを示している。さらに、形態的データと比較すると、道南型DNAをもつ礼文島古代ヒグマはすべて秋に死亡した1歳未満の仔グマであった。それに対して、道央-道北型の礼文島古代ヒグマの多くは春に死亡した3歳以上の成獣であった。道南型DNAをもつ仔グマはおそらく春グマ猟で捕獲され、当時の道南地方の続縄文人、または、道北地方のオホーツク人によって半年余り飼育されたと考えられる。礼文島古代ヒグマにおける道南型DNAの発見は、仔グマ・ギフトを伴うクマ送り儀礼が、従来強調されてきた集団内だけでなく、異集団間の絆を強める機能をも果たしたことを示唆している。
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