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北部九州出土の弥生時代早期人骨のミトコンドリアDNA分析

研究課題

研究課題/領域番号 12012216
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

篠田 謙一  佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30131923)

研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード弥生人 / ミトコンドリアDNA / D-loop領域
研究概要

日本人の成立に関しては、主として形態学的な研究から、弥生時代大陸から北部九州地方に渡来した大量の移民が在来の縄文人と混血して成立したとする、いわゆる「二重構造論」が唱えられている。ただし、この仮説の元となった人骨は弥生時代中期以降のものが大半であり、もっとも重要である縄文弥生移行期における試料を解析の対象とはしていないことに注意する必要がある。近年、考古学者の努力によって北部九州の沿岸地方で、弥生時代早期の人骨がいくつか発掘されている。今回の研究では、これらの人骨を対象としてDNAを抽出し、分子生物学的な解析を試みた。
実際の研究では佐賀県呼子町大友遺跡から出土した弥生時代人骨を対象とし、DNAを抽出してPCR法を用いてミトコンドリアDNAのD-loop領域の一部の増幅を試みた。解析を行った11体のうち6体でDNA増幅に成功した。増幅したDNAの塩基配列を決定し、遺跡内部での血縁関係を推定した。共通のハプロタイプを持つ個体は、8号支石墓に埋葬された人物と15号墓に埋葬された人物だった。ミトコンドリアDNAは母系に遺伝するので、ハプロタイプが一致しない個体同士は、母系の血縁関係を否定できる。一方、一致した個体同士ではとりあえず母系の血縁を想定できるが、今回の解析では確実なことは言えなかった。次に系統関係を類推するために、これまで蓄積した縄文人・弥生人および周辺地域の現代人データと比較した。その結果、大友遺跡人には、北部九州の弥生人や同時代の中国の集団と同じ塩基配列を持つものも存在したが、大半は他に相同なハプロタイプを持たないユニークな集団だった。
今後、この大友遺跡人の遺伝的な性格を知るためには、朝鮮半島や玄界灘の沿岸地方から出土した古人骨に対して同様の解析を行って、大友集団との類縁性を探っていく必要がある。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 篠田謙一: "ミトコンドリアDNAの塩基配列から見た縄文弥生人と現代人集団の関係"日本人と日本文化. No.15. 12 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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