研究課題/領域番号 |
12015211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
片山 葉子 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90165415)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 古紙リサイクル / 有機系廃棄物の利用 / セルロース資源 / バクテリアセルロース / 酢酸菌 |
研究概要 |
わが国では紙製品は年間約3千万トンが製造されているが、そのうち半分は廃棄されており、その中にはまだ利用可能なものも含まれることから、資源の再利用とごみの減量の両面において問題となっている。平成11年度本特定領域研究の紙製品マスフロー解析において、劣化の著しい古紙を高い品質のものへ改善することが、廃棄物の減少ならびにパルプ使用を減下させる上で有効であることを示し、この目的のためにバクテリアが生産するセルロースを利用出来るのではないかという可能性を示した。本研究では、より安価な原料からより効率よくバクテリアセルロースを合成させることを目的として、これら生物系廃棄物の利用をめざしたセルロース合成を試みた。Gluconasetobacter xylinus subsp.sucrofermentans JCM9730を供試した。本菌は肉エキス、酵母エキス、カゼインペプトン、大豆ペプトン、CSLなどを高濃度に含む培地中で良好なセルロース合成を示した。特に、タンパク質系の培地成分である肉エキスやカゼインペプトンを含む条件であっても、安定したセルロース生成が見られた。CSL培地(初期濃度は5%)での培養1週間後のTOCの減少は約50%であった。豆腐製造廃液では約4.6g/lのセルロースが合成され、実際の食品加工により発生する廃水においても、バクテリアセルロースの合成が可能であることが確認された。従来、バクデリアセルロースの合成においては、生合成の直接の素材となる糖質系物質を主成分とする培地が汎用されていたが、蛋白質系の素材を高濃度に含有する条件下であっても、セルロース合成が可能であり、種々の物質が混在すると予想される生物系廃棄物を利用したセルロース合成の可能性が示された。このようにして作られたバクテリアセルロースは、劣化の進んだ古紙に混合することにより、その紙質の向上に寄与することが期待される。
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