研究課題/領域番号 |
12015217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
沢田 達郎 金沢大学, 工学部, 教授 (80019728)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 林産資源 / 水蒸気爆砕 / 工業技術 / パルプ / エポキシ樹脂 |
研究概要 |
排ガス、排水、固形廃棄物などの汚染物を発生することなしに原料を無駄なく完全に有用物質あるいは製品に転換する工業的手法の開発はゼロエミッションにもとづく資源化技術として大いに期待される。本研究では、汚染物のゼロエミッションを実現するために水蒸気爆砕によってユーカリから分離された成分を無駄なく完全に製品化する資源化方法を開発した。汚染物のゼロエミッションの可能性を目指して水蒸気爆砕されたユーカリを構成成分に予め分離した後、それぞれの成分の製品化の有効性について研究した。セルロースはエタノール、メタンなどの可燃性物質とパルプ、ヘミセルロースは単糖やオリゴ糖を原料とした機能性食品、低分子リグニン(メタノール可溶性リグニンは)は熱硬化性と耐熱性に優れた高機能性樹脂に変換された。高分子リグニン(Klasonリグニン)は炭化によって土壌改良剤などを製造できると思われる。従来までの蒸解法によるパルプ製造では木材中のリグニンやヘミセルロースなどが難分解性廃液になって排出される。水蒸気爆砕ユーカリから分離したセルロースを原料としたパルプ製造は廃液の著しい減量化とヘミセルロースやリグニンなどの資源の無駄を無くしたゼロエミッション型技術とわかった。しかしながら、爆砕ユーカリから製造されたパルプには物理的性状などの品質向上の課題がある。メタノール可溶性低分子リグニンから合成されたエポキシ樹脂は環境ホルモンの作用の無い生体への無害エミッション樹脂と期待される。ユーカリの水蒸気爆砕と構成成分の有用資源化技術は、木材ばかりでなく種々の工業にも応用できる汚染物のゼロエミッション手法の提案である。
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