研究課題/領域番号 |
12018207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松永 捷司 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60022729)
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研究分担者 |
長田 和雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (80252295)
柴田 隆 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (70167443)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | エアロゾル / 有機エアロゾル / カスケードインパクター / 乗鞍岳 / アセトン / 硫酸塩 |
研究概要 |
自由対流圏から直接採集したエアロゾルの電子顕微鏡写真に見られた不鮮明な「かげ」状物体(中央に鉱物粒子が写っているものあり)が高真空下で蒸発した化合物の痕跡だとする考えがこの研究の出発である。大気中の存在量からはH2Oが一番の候補であるが、生物起源の炭化水素が二酸化炭素に酸化される中間生成物としてのアルデヒド、ケトン、アルコールなどの揮発性有機物も考えられる。これら揮発性有機物そのもの、またはこれら有機物を含むH2O、およびこれらの揮発性物質を周りにつけた粒子の存在とその化学的性状を明らかにすることを目的とした。 エアロゾルの採集、保存、および成分分析と個々の過程に解決すべき問題点は多いが、採集から分析まで保存中のコンタミは極力抑えられ、成分的にもコンタミが少ないことは支持された。気象要素や粒子数計測により、自由対流圏の大気であると分類された乗鞍岳山上の観測時に2段式カスケードインパクターにより採集されたエアロゾルの分析によれば、粒子のカットオフ径約2μmを境にして小粒子分画に有意にアセトン濃度が高く、<0.4μmのバックアップフィルター分画にはさらに高濃度であった。これらの値は同時にテナックスGRの吸着法で測定した大気中濃度に比べ3桁ほど少なかった。 インパクターの一段目か2段目か以外すべて同操作のサンプルについて、小粒子径分画で有意に濃度が高かったことは、硫酸塩に良く見られる蓄積モードの分画に多いことを示す。また、バックアップフィルター分画にはさらに高濃度であったことを考慮すれば、ガスから粒子化したアセトン、ないしアセトンを含むH2Oの存在を初めて示したものと思われる。
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