研究課題/領域番号 |
12019239
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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研究分担者 |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70182821)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 始原菌 / Haloferax volcanii / 細胞表層蛋白質 / 蛋白質膜透過機構 / SecY |
研究概要 |
高度好塩始原菌の蛋白質膜透過装置を明らかにするとともに、好塩菌を宿主とした細胞表層蛋白質の大量生産系構築を目指して研究を行った。始原菌は、真核生物・真正細菌と共に生物界を構成する3つのドメインの1つであるが、その蛋白質膜透過装置に関する知見はほとんど得られておらず、本研究は基礎的にも意義深い。高度好塩始原菌Haloferax volcaniiの膜透過装置を構成する因子の内、SecYとSecEについて、以下の知見を得た。secYの塩基配列から推定される蛋白質は489アミノ酸残基からなり、推定分子量は52,322であった。膜貫通領域推定プログラムTMAPによる解析の結果、10回の膜貫通領域を持つと推定された。一次構造はHaloarcula marismortui、Escherichia coli、Saccharomyces cerevisiaeのSecY(Sec61p)とそれぞれ74.7%、13.3%、23.5%の相同性を有していた。すなわち、始原菌のSecYは、真正細菌のものよりも真核生物のものと相同性が高い。secEの塩基配列から推定される蛋白質は57アミノ酸残基からなり、推定分子量は6,195であった。一次構造はHaloferax mediterranei、Escherichia coli、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombeのSecEとそれぞれ98.2%、17.5%、21.1%、26.3%の相同性を有していた。すなわち、始原菌のSecEも、SecYの場合と同様、真正細菌のものよりも、真核生物のものと相同性が高い。SecYの部分配列をもつ合成ペプチドを用いて抗血清中を調製した。ペプチド結合カラムによるアフィニティー精製を行ったところ、SecYに対して高い特異性を持つ抗体を得ることができた。この抗体とH.volcaniiの膜画分を用いて免疫沈降実験を行ったところ、SecYの沈降が確認された。架橋試薬で処理した膜画分を、同様の免疫沈降実験に供することで、SecYと共に蛋白質膜透過装置を構成する他の因子を同定することが可能になると期待される。
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