研究課題/領域番号 |
12019243
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金谷 茂則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30273585)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ハイブリッド酵素 / 配列特異的切断 / RNA / DNA / MS2 RNA / RNase H / 好熱菌 / 大腸菌 |
研究概要 |
本研究の目的は、安定な高次構造を形成するRNAでも配列特異的に効率よく分解するハイブリッド酵素を開発することである。これまでの研究の結果、15-merDNAを連結した好熱菌RNaseHIは、15-merDNAを連結した大腸菌RNaseHIが活性を示さない高温でも15-merRNAを効率よく配列特異的に分解することが明らかにされている。そこで今年度は、DNAを連結した好熱菌BNaseHIを用いて安定な高次構造を形成するMS2RNAを配列特異的に分解することを試みた。バクテリオファージ由来MS2RNAは3569塩基から成り、複雑なstem-loop構造を有する安定な高次構造を形成する。MS2RNA塩基配列の2781番目から2796番目までの塩基配列に相補的な16-merDNAを好熱菌RNaseHIに連結したハイブリッド酵素d16-TRNHと大腸菌RNaseHIに連結したハイブリッド酵素d16-ERNHを構築し、様々な温度でMS2RNAとインキュベートした。もしMS2RNAが目的の位置でのみ切断されるならば、800塩基から成るRNA断片と2800塩基から成るRNA断片が生じるはずである。これらの断片を8M尿素を含む3.5%ポリアクリルアミドゲルを用いるゲル電気泳動で解析したところ、MS2RNAとD16-TRNHを65℃以上の高温でインキュベートした時だけ800塩基から成るRNA断片が生成することがわかった。このRNA断片は、MS2RNAだけを電気泳動した時も、MS2RNAとD16-ERNHをいかなる温度でインキュベートした時も検出されなかった。以上の結果は、好熱菌RNaseHIを用いて構築したハイブリッド酵素は安定な高次構造を形成するRNAでも高温で配列特異的に分解することを示唆する。今後は、逆転写酵素によるプライマー伸長法などにより切断点の同定を行う予定である。
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