研究課題/領域番号 |
12019245
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
李 紹良 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40252720)
|
研究分担者 |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 細胞外マトリックス / 基底膜 / agrin / HGF |
研究概要 |
細胞は細胞表面のレセプター分子を介して細胞外マトリックスと結合することにより、増殖、分化、細胞死等の基本的な細胞機能の制御を受けている。細胞マトリックスは、細胞表層の単なる物理的なバリアーではなく、細胞が近傍の細胞を含めた外部環境から発信された情報を受け取り、それを細胞内部に伝達するインターフェスとしての役割を果たしている。本研究では、細胞外マトリックスが持つこのような役割に着目し、遺伝子工学の手法を用いて様々な生理活性蛋白質を不溶化したスーパーバイオマトリックスの構築を行う。具体的には、ラミニンの自己会合ドメインおよびアグリン(agrin)のラミニン結合ドメインを利用した生理活性蛋白質の基底膜へのターゲティング技術を確立し、基底膜の機能改変を通じて上皮・内皮細胞の形質発現を制御する新しい基盤技術の開発を行う。 1)GFPとアグリン(agrin)のN末端ドメイン(AG)との融合蛋白質の発現ベクター、pAG1-GFP及びpAG2-GFPを構築し、表皮癌細胞A431に導入して、組替え蛋白質を発現させた。抗GFP抗体を用いたイムノブロットにより、細胞培養上清に融合蛋白質の発現を確認した。また、これらの融合蛋白質は基底膜様ゲルであるMatrigelに不溶化されることが確認された。各ラミニンとの結合親和性を、ELISA法により調べた結果、融合蛋白質はMatrigelと異なるラミニンとも結合することが分かった。以上の結果は、アグリン(agrin)のN末端ドメインが基底膜へのターゲティングに利用できることを示唆している。 2)肝細胞増殖因子HGF、そのナゴニストNK1及びアンタゴニストNK4遺伝子を発現ベクター、pAG1-GFPに挿入し、融合蛋白質AG1-HGF-GFP、AG1-NK1-GFP及びAG1-NK4-GFPの発現ベクターを構築して、1)と同様に発現を試みた。HGFの細胞分散活性を指標として細胞培養上清を測定した結果、AG1-HGF-GFPのみが強い細胞分散活性を発現していることが判った。今後、AG1-NK4-GFPがHGFのアンタゴニストとして働くかを確認すると共に、in vivo及びin vitro系を用いてこれらの融合蛋白質が当初想定した基底膜組込型分子として作用するかを検討する予定である。
|