研究課題/領域番号 |
12019256
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 高史 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20222226)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | タンパク質再構成 / ヘムタンパク質 / ミオクロビン / 分子認識部位 / チトクロムc / 電子移動反応 / タンパク質機能変換 / タンパク質複合体 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の成果をもとに、ヘムタンパク質表面に正電荷を有する基質結合(認識)部位の構築を試みた。具体的には、ヘムプロピオン酸側鎖末端に合計4個のアミノ基を導入し、カチオンドメインをミオグロビン表面に呈示させた。その結果、フェリシアネートやアントラキノンスルホン酸など負電荷を有する基質と極めて安定な複合体を形成し、静電相互作用を介した光駆動型高速一重項電子移動反応が観測可能となった。さらに、結合定数を比較すると、アニオンドメインをタンパク質表面に呈示したミオグロビンに比べで極めて親和力が強いことも明らかとなった。これは、タンパク質のヘムポケット近傍に集中して存在する塩基性のアミノ酸残基と協同的に効率よいカチオンクラスターを形成しうるからと理解でき、タンパク質表面上での認識挙動の機序を示すことができた。 また、本年度はタンパク質表面上の認識部位を介した電子移動反応の詳細な評価を行った。フラッシュホトリシスを用いて、認識部位を有する再構成亜鉛ミオグロビンからチトクロムcへの電子移動反応を追跡した結果、観測される電子移動反応速度は、単なるドナーとアクセプターの電子移動ではなく、タンパク質同士が結合したときに生ずるコンフォメーションの組み替えの影響を受けた値であることが示され、天然系のGated or Coupled ETに相当する減少をモデル系で初めて実現でき、タンパク質間の電子移動反応に、認識挙動が深く関わっていることを実証した。。
|