研究課題/領域番号 |
12019257
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前田 瑞夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10165657)
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研究分担者 |
村田 正治 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30304744)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | トリプルターゲッティング / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / SNPs / ナノ粒子 / ガン遺伝子 / DNAコンジュゲート |
研究概要 |
核酸(DNA/RNA)の相互認識は極めて特異的であるため、これをターゲッティングの原理とする標的分子デザインがある。いわゆるアンチセンスないしはアンチジーン戦略である。本研究では、DNAの分子認識能をより広範な標的分子デザインに結びつけるための方法論を確立することを目的として研究を行なった。 DNAをマクロモノマー化してこれを共重合することにより、DNAを側鎖にもつポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)を合成した。このDNAコンジュゲート物質を、主鎖の相転移温度以上に加熱したところ、PNIPAAm部位を疎水核とするポリマーミセル(ナノ粒子)が得られ、その分散液は透明であった。ところがこれに相補的なDNA鎖を添加したところ、ただちに溶液の白濁が見られた。この現象を、rasガン遺伝子についても確認した。この相補的DNA添加に伴う変化は、しかしDNAの配列にほんの1ヶ所ミスマッチがあっても起こらない。すなわち、DNAナノ粒子はSNPs(一塩基多型)を見分けることを、ガン遺伝子配列について確かめることができた。加えて興味深いことは、この相補 鎖依存性の凝集反応は、配列だけでなく鎖長をも認識するという点である。フルマッチ配列に数塩基のヌクレオチドを付加した場合には、凝集反応は起こらなくなる。この精密な応答は、広く標的分子デザインに有効であると期待される。ここで得られたDNAポリマーミセルは、DNAに基づくターゲッティング機能に、温度応答性薬物放出機能と光応答性性薬剤の刺激応答性とを兼ね備えたトリプルターゲツティングシステムのプロトタイプである。
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