研究課題/領域番号 |
12019270
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
上岡 龍一 崇城大学, 工学部, 教授 (70099076)
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研究分担者 |
金納 明宏 薬物安全性試験センター, 安全性薬理試験室, 室長
松本 陽子 祟城大学, 工学部, 助教授 (00133562)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | リボソーム(複合脂質膜) / がん化学療法 / アポトーシス / 延命効果 / 臨床応用 / カスペース / 悪性リンパ腫 |
研究概要 |
(1)複合質膜の制がんメカニズム 複合脂質膜のアポトーシス誘導経路を詳細に検討した。種々のカスペース阻害剤存在下でのDNA断片化率を測定したところ、DNA断片化率のカスペース阻害剤濃度依存性が明らかになり、カスペースの関与が考えられる。次に、ミトコンドリアの関与について検討した。複合脂質膜の添加によりミトコンドリア膜電位の低下が観察され、アポトーシスシグナル伝達にミトコンドリアが関与していることが明らかになった。更に、ウエスタンブロッティング法によりカスペース3およびカスペース3の基質(PERP)分解物を検出し、複合脂質膜のカスペースカスケードにおけるカスペース3の活性化を明確にした。 複合脂質膜はがん細胞に融合・蓄積し、レセプターなどの膜タンパクのコンフォメーションが変化し、カスペース活性化へとシグナルが伝達される。カスペース経路についてはミトコンドリア依存経路のみ、またはミトコンドリア依存および非依存経路の両方を介してカスペース3が活性化され、最終的にアポトーシスが誘導される。いずれにしてもがん細胞膜をターゲットとするアポトーシス誘導型の新しい制がんメカニズムである可能性が大きい。 (2)臨床における治療試験 国立熊本病院の生命倫理委員会の承認を得た後、余命数カ月と診断され、あらゆる治療法で効果がなかった再発悪性リンパ腫の患者に対して複合脂質膜を投与し、臨床試験を行った。約一年間の治療期間中、発熱、血液毒性、肝毒性、腎毒性などは無く、副作用は認められず、長期の連続投与が可能で、高い安全性および明らかな延命効果が認められた。固形リンパ腫瘍に対して局所投与したところ、腫瘍の顕著な縮小が認められ、早期実用化が期待される。
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