研究課題/領域番号 |
12020101
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
戸田 芙三夫 岡山理科大学, 理学部, 教授 (50036232)
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研究分担者 |
田中 耕一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (10116949)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ベンゾジシクロブタジエン誘導体 / 最も長いベンゼン環の炭素-炭素結合 / 引き伸ばされたベンゼン環 / アニュレン構造 / ナフトシクロブテン導道体 / アントラジシクロブテン誘導体 |
研究概要 |
ベンゾジシクロブタジエン誘導体の低温でのX線構造解析が成功した。その結果、四員環に縮合しているベンゼン環の二重結合が極端に長くなり、一重結合の長さに相当する1.54Åになっていることが判明した。この長さは、最も長いベンゼン環の炭素-炭素結合に匹敵する。このように引き伸ばされたベンゼン環を含む分子は、共鳴エネルギーを失っているであろうか。あるいは、アニュレン構造を取っているであろうか。あるいはまた、ラジカルやイオン構造を取っているであろうか。この考え方は、ESRの測定などによって否定される。それではアニュレン構造かベンゼン構造を保ち続けているか。これを明らかにするための理論計算を行ったところ、ベンゾジシクロブタジエンの六員環はベンゼン環であり、共鳴エネルギーを保っていることが判明した。このように、ベンゼン環は極度に引き伸ばされても、ベンゼンの性質を失うことなく保ち続けることが明らかになった。 次に、四員環が1個縮合したナフトシクロブテン誘導体と、2個縮合したアントラジシクロブテン誘導体を合成して、ベンゼン環における電子の局在化の効果を検討した。その結果、四員環の縮合したベンゼン環のπ電子は、かなり局在化していることが判明したが、ベンゼンの芳香族性は失われていないものと考えられる。
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