研究課題/領域番号 |
12020201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
辻 孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20029482)
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研究分担者 |
河合 英敏 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50322798)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | シクロファン / 歪み化合物 / 芳香族化合物 / DEWARベンゼン / マクロサイフル |
研究概要 |
1.[1.1]パラシクロファン核の新規速度論的安定化とナフタレノファンへの共役系の拡張 その固有の電子状態に由来する種々の特異性の発現が期待される[1.1]パラシクロファンは、数年前に我々が初めて合成したがいずれも単離できる安定性を欠いていた。しかしその後、歪みが集中する橋頭位炭素を立体的に保護する置換基の導入により、高い速度論的安定化が達成されることを見い出した。そこで、橋頭位炭素を効果的に立体保護できるメチレン側鎖への置換基の導入よる速度論的安定化と、種々の官能基による芳香環の構造修飾が可能な[1.1]ナフタレノファン骨格の構築による共役系の拡張、および、そのペリ位への電子供与および求引性基の導入による物性制御と速度論的安定化を目指して研究を進めた。その結果、目的化合物の合成を達成するまでには至らなかったが、中間体合成を含め合成経路開拓を進めることができた。 2.Dewarベンゼンの折れ曲がり構造を利用したパラフェニレン基を組み込んだマクロサイクル合成官能基が規制された立体配置を取る大環状構造は、分子認識による錯形成や自己組織化による高次構造形成等の観点から最近注目されている。先に、簡便な合成法を見い出したジクロロDewarベンゼンが、官能基化したメタおよびパラフェニレン構造を大環状構造に組み込むための合成素子として有用であることを見い出した。たとえば、2,5-ジクロロ置換体のジエチニル化とひき続く酸化カップリングは環状6および8量体を与え、保護基の交換、光芳香環化によって官能基化したパラフェニレン基を組み込んだマクロサイクルが得られた。それらの空孔への基質特異的取り込みと官能基による活性化、自己組織化による高次構造の形成は今後の検討課題である。
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