研究課題/領域番号 |
12020214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村田 滋 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40192447)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 増感光分解 / エネルギー移動 / ピレン / 多重項有機分子 |
研究概要 |
本研究は、増感部位が捕捉した光エネルギーを、エネルギー移動、あるいは電子移動過程を経てスピン前駆部位に伝達し、スピンを持つ特異な共役電子系を効率よく発生させることを目的としている。既に、増感部位として分子内に一個のピレニル基を持つ基底五重項ジカルベン前駆物質(1)の光化学反応性を検討したが、本年度は、さらに二個の増感部位を持つを新規なジカルベシ前駆物質(2)を合成し、その極低温マトリックス中、および室温溶液中の光化学反応を検討した。2を2-メチルテトラヒドロフラン中、4Kで366nm光を照射し、電子スピン共鳴スペクトルを測定したところ、五重項ジカルベンの発生が観測された。光量を変化させてジカルベンの生成速度を調べた結果、1と同様に一光子で二個のジアゾ基が分解していることが判明した。メタノールを含むテトラヒドロフラン中、室温における2の光分解反応性を紫外可視吸収スペクトルを用いて測定し、同一光照射条件下の1、およびピレニル基を持たないジカルベン前駆物質(3)の反応性と比較した。その結果、希薄条件下における1、および2の光分解速度は、3に対してそれぞれ24、49倍加速することがわかり、導入したピレニル基は、ジカルベン前駆物質の光分解過程において光吸収部位として機能していることが判明した。さらに、1と2の光反応性の比較からピレニル基の効果には加成性があることも明らかになった。これらの結果は、増感部位の導入によって、光による高スピン有機化合物の発生を高効率化できることを示しており、さらに、光分解に用いる波長によって発生するスピンの数を制御できる可能性を示唆するものである。
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