研究課題/領域番号 |
12020232
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和田 雄二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40182985)
|
研究分担者 |
長谷川 靖哉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80324797)
北村 隆之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40294037)
柳田 祥三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10029126)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | ナノ材料 / ゼオライト / 鎖状芳香族化合物 / 発光 / 希土類 / 光増感作用 / 無機ホスト化合物 / エネルギー緩和 |
研究概要 |
概要 1)ナノサイズホージャサイト型ゼオライトの合成を文献に基づきその手法を確立した。そのナノゼオライトをネオジム交換し、さらにフッ素アルキル基を含むスルホニルアミド(PMS)を配位子として、ネオジム錯体をゼオライト細孔内に合成した。このゼオライトは、(Nd(PMS)-n-FAU)は、ジメチルスルホキシド中に安定に分散することが、DLS測定ならびに吸収スペクトルから明らかとなった。吸収スペクトルには、ネオジムに起因のf-f遷移がみられた。未処理のものはほとんど分散しないことことから、PMSはn-FAU粒子の外表面を化学的に修飾することにより、分散を促進していることがわかった。吸収スペクトルから、均一に溶解したと仮定したジメチルスルホキシド中のネオジム濃度は8.7mMと計算された。 発光スペクトルには、ネオジムの遷移に帰属される近赤外領域の発光が観測された。寿命は22msで一次減衰であった。吸収スペクトルの形状からネオジムは、対称性の高い環境に存在しすることがわかった。重水素化ジメチルスルホキシド中の発光量子収率は有機媒体中における最高値9.5%と、錯体溶液の値、3.3%の3倍にも向上したことから、ゼオライトは低振動ホストとして優れていると結論できる。この値は、有機溶媒中におけるネオジムからの発光として最高値である。 2)ナノサイズホージャサイト型ゼオライトをユーロピウムで交換し、かつそのスーパーケージ内に2-アセチルビフェニルを取り込むと、2-アセチルビフェニルからの三重項増感によるユーロピウム発光が大きく促進されることがわかった。この現象は、ユーロピウムイオンと増感剤がゼオライトの閉じこめ効果により、強制的に接近して配置されるためと考えられる。 3)直線上の細孔を有するL型ゼオライトにビフェニルを取り込むことにより、ビフェニルの発光が長波長に大きくシフトする。この発光は、フリーの分子とは異なる長波長に吸収を有するビフェニルに起因し、細孔壁のカチオンとの特殊な相互作用を反映していると理解される。
|