研究課題/領域番号 |
12020251
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
木原 伸浩 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (30214852)
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研究分担者 |
高田 十志和 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (40179445)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ロタキサン / 二級アンモニウム塩 / クラウンエーテル / アシル化 / 活性エステル / 銀 / ジヒドロニコチンアミド / 酸化還元 |
研究概要 |
我々は、二級アンモニウム塩とクラウンエーテルから生成させた擬ロタキサンをトリブチルホスフィンを触媒とするアシル化反応で末端封鎖するという、効率的で適用範囲が広く実用的なロタキサン合成法を開発した。この合成法は極めて強力であるが、アシル化剤として酸無水物を必要とする。そこで、アシル化剤として活性エステルや酸クロリドを用いたロタキサン合成法を検討した。活性エステルとして2-ピリジルチオエステルを用い、触媒としてトリブチルホスフィンを用いると高収率でロタキサンを得ることができた。一方、アシル化剤として酸クロリドを用いると、生成する塩化物イオンが錯形成を阻害するためロタキサンは得られない。しかし、系にトリフルオロメタンスルホン酸銀を添加し塩化物イオンを除いたところ、高収率でロタキサンを得ることができた。また、あらかじめアンモニウム塩を作っておかなくとも、アミンを原料とし、系中でアンモニウム塩を発生させてロタキサンを合成することもできた。この場合、アミンをアンモニウム塩に変換するのに小過剰のトリフルオロメタンスルホン酸を用いると、これが酸触媒となりトリブチルホスフィンを添加しなくともアシル化が進行した。ロタキサンをニコチン酸クロリドでアシル化することにより、ニコチン酸アミド構造を持つロタキサンを得、これをアルキル化し、次いで還元することで、還元反応性を示すジヒドロニコチン酸アミド構造を持つロタキサンを得た。このロタキサンを用い、過塩素酸マグネシウム存在下にケトンの還元反応を検討したところ、30%の収率で対応するアルコールが得られた。この時ロタキサン自体は完全に酸化されており、ロタキサン構造を取ることでジヒドロニコチン酸アミドの反応性が異常に冗進されている可能性が示唆された。
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