研究課題/領域番号 |
12020254
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
菅原 洋子 北里大学, 理学部, 教授 (10167455)
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研究分担者 |
山村 滋典 北里大学, 理学部, 助手 (40286373)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヌクレオチド / ヌクレオシド / 結晶構造転移 / 水和 |
研究概要 |
核酸は水和状態に依存して高次構造が変化することが知られているが、核酸の構成要素であるヌクレオチド結晶においても、結晶周りの水蒸気圧に依存して結晶水数が変化し、結晶構造転移が誘起される。構造転移に伴い、分子層間の水素結合網の再編、分子の積層構造の変化などが誘起されることから、分子集合体構造の変化を介した物性の動的制御という観点で興味が持たれる。平成12年度においては、塩基にアミノ基を持たないNa_2UMP、リボースの2′位の水酸基を持たないNa_2dAMP、塩基の酸素がイオウに置き換わった2-チオシチジン等について、結晶構造の相対湿度依存性の解析を行い、既に解析を終えているグアノシン、Na_2ATP、Na_2CMP他の結果と併せ、水蒸気圧誘起相転移を利用した物性制御の可能性について検討した。 結晶内には分子の層状構造が形成されている。イノシン、2-チオシチジン等の分子層内の相互作用が弱い系では、結晶水を失うと層状構造が崩れ、変化が不可逆になることが明らかになった。この様な系では、水を介した相互作用が分子の層状構造の保持に必須であるとみられる。一方、分子層間の相互作用が強いNa_2ATP、Na_2CMP等の系では、構造転移は可逆的であるが、分子層の内部構造は相転移の前後でほとんど変化しない。分子間相互作用が中程度の系において(Na_2UMP、Na_2dAMP等)、相転移に伴い可逆的な分子の積層構造の変調が起こることが示唆された。従って、物性制御の観点からは分子間相互作用が中程度の系が注目されることが明らかになった。
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