研究課題/領域番号 |
12021203
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 専任講師 (60308004)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 星形成 / 連星 / 数値シミュレーション / 数値流体力学 / 自己重力 |
研究概要 |
集団的星形成の特徴は、ひとつの分子雲コアから多数の星が形成することである。この特徴は、連星系の形成と共通する。そこで、本研究では、高解像度の数値シミュレーションを用いて、連星系の形成について調べた。連星系形成の有力なシナリオでは、分子雲コアが分裂して形成したクランプが、合体せずに原始連星系へ進化することが重要である。しかし、過去の多くの数値シミュレーションでは、クランプが形成した時点で計算を止めているため、クランプが合体せずに原始連星へ新化するかは、明らかではない。そこで、本研究では、分子雲コアの分裂から約2×10^3年間という、これまでにない長時間の進化を追跡した。 数値シミュレーションの概要は以下の通りである。初期にゆっくり回転しいる球状の分子雲コアが重力収縮すると、中心部に高密度クランプ、その周囲に降着円盤、さらにその周囲には降着エンベロープが形成される。降着円盤は重力不安定によって分裂し、中心クランプのまわりに衛星クランプを形成するが、角運動量の輸送により衛星クランプは中心クランプに合体する。このような衛星クランプの形成と合体は約1000年周期(ファーストコアの音速伝播時間)で繰り返される。衛星クランプの質量(1-2)×10^2太陽質量は最小Jeans質量程度である。中心クランプは、衛星クランプとの合体によって質量と角運動量を降着する。このシミュレーションでは、中心クランプの質量は0.116太陽質量まで成長した。 本研究は、(1)連星系形成のシナリオにおいて、クランプが合体と形成を繰り返すので、クランプの進化を長時間追跡することは重要であり、(2)単独星形成のシナリオにおいても、中心星への質量降着は周期的に変動し、大変激しい現象であることを示唆している。
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