研究課題/領域番号 |
12022201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 精一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60241353)
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研究分担者 |
兜森 俊樹 (株)日本製鋼所, 室蘭研究所, 主任研究員
谷脇 雅文 高知工科大学, 工学部, 教授 (20133712)
須田 孝徳 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50301940)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 水素吸蔵合金 / イオンビーム / 表面改質 / 表面活性化 / 水素拡散能 / 水素化物 / 表面被膜 / 活性化エネルギー |
研究概要 |
イオンビームを水素吸蔵合金の表面改質に利用した場合、結晶構造の変化、多量の格子欠陥、注入された水素による水素化物の核形成などが期待され、さらには種々の溶質元素をミキシングすることによって、新しい機能を持った合金開発の可能性がある。本研究ではイオン注入やイオンミキシングにより、長寿命化(耐劣化や耐被毒)および活性化の制御などを目指した表面ナノ構造の改質を行うことを目的とした。 (1)ZrCoおよびZrNi:高温顕微鏡によるその場観察(水素圧1atm、反応温度150℃に200℃)を使用し、水素物形成過程の定量化を試みた。(1)ZrCo:ZrCoでは水素イオン注入による水素化物の成長促進の効果が認められなかった。イオンミキシングの効果については、溶質元素をCoにした場合に顕著であり、成長速度は2倍から3倍に増加することができた。水素化物形成に必要な活性化エネルギーは、未処理の場合が40kJ/mol、イオンミキシングの場合が20〜30kJ/mol程度となった。(2)ZrNi:ZrNiは水素イオン注入をしなければ、水素化が起こらない。イオン注入量が1X1016H2+/cm^2の場合、成長速度が大きくまた水素化開始までの潜伏期も大幅に短くなった。 (2)TiFe:TiFeは未処理の場合、反応温度400℃、水素圧10MPaにおいても水素化が起こらない。しかし、水素イオン注入(3.6X1016H2+/cm^2)の場合7MPa、アルゴンイオン注入(5X1015Ar+/cm^2)の場合5MPa程度から水素化が開始する。また、LaNi5を溶質としたイオンミキシングを行うと、1X1015Ar+/cm^2では、水素圧1MPaで水素化が起こることがわかった。以上の結果から、イオン注入およびイオンミキジングによる初期水素化挙動に対する効果は、広範に認められることが明らかとなった。
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