研究課題/領域番号 |
12022225
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
山口 貞衛 千葉工業大学, 研究所, 教授 (80005892)
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研究分担者 |
永田 晋二 東北大学, 金研, 助手 (40208012)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | hydrogen-air fuel cell / proton conducting oxide / hydrogen storage metal / spark plasma sintering |
研究概要 |
我々は、平成12年度迄の研究により、プロトン導電性固体酸化物の電解質と水素吸蔵金属の電極を用いる電気化学セルを試作して、プロトン導電性固体電解質と水素吸蔵電極間のプロチウムの移動を起電力測定と高速イオンビームを用いる水素定量分析法により調べ、このセルが水素-酸素燃料電池や水蒸気の電気分解用装置として働くことの実験的証拠を得ることができた。 この結果に基づいて、平成12年度は、SrCe_<1-X>Yb_XO_<3-X/2>やBaCe_<1-X>Y_XO_<3-X/2>(x=0.05,0.1)などのプロトン導電性固体酸化物を電解質に、そしてTiH_2やMgH_2などの水素吸蔵金属を負電極への水素供給源とする負電極密封型燃料電池を試作して、その性能を評価した。この燃料電池は、水素吸蔵金属から約0.1MPaの水素ガスが放出される温度に保つだけで理論より期待される約1.2Vの起電力を発生し、負荷の下でも安定に放電する。そして、この電池からは最大で0.22kW/m^2の出力が得られている。しかし、このタイプの中間温度(300〜600℃)で運転する燃料電池の実用化を図るためには電池の出力を一桁以上大きくする必要がある。試作した燃料電池の放電特性の測定結果から、電池の出力を増大するためには電池の内部抵抗を減少する必要があり、我々は、電池の内部抵抗に寄与する諸因の中で電解質の電気抵抗が最も大きいことを明らかにした。 電解質の電気抵抗を軽減して出力の増大を図るためには、導電率の高いプロトン導電性固体を薄板の形で電解質に用いる必要がある。我々は、導電率が高く且つプロトン輸率が100%に近い値を示すプロトン導電性ペロブスカイト型酸化物Ba_3Ca_<1+X>Nb_<2-X>O_<9-3X/2>及びBaCe_<1-X>O_<3-X/2>を燃料電池の電解質候補材料に選び、放電プラズマ焼結法により、プロトンの移動速度の増大を図るために組成を傾斜させた薄板ペレット試料を作製し、この酸化物薄板を電解質に用いる燃料電池の性能の評価を計画している。
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