研究課題/領域番号 |
12022226
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
須田 精二郎 工学院大学, 工学部, 教授 (00100313)
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研究分担者 |
孫 元明 工学院大学, 工学部, 客員研究員
李 洲鵬 工学院大学, 工学部, 客員研究員
内田 雅樹 工学院大学, 工学部, 講師 (10100273)
周 ゆう 工学院大学, 工学部, 客員研究員
劉 賓虹 工学院大学, 工学部, 客員研究員
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ほう素水素化物 / 液体水素化物 / 水素発生 / 水素貯蔵 / 燃料電池 / 金属水素化物 / 水素吸蔵合金 |
研究概要 |
NaOHもしくはKOHのようなアルカリ水溶液に溶解させたNaBH_4もしくはKBH_4のようなほう素水素化物は、触媒作用をもつ適切な材料との接触によって、水溶液と水素化物の双方から等量の水素を発生する.ここでは、ほう素水素化物を含むアルカリ水溶液が水素貯蔵・供給体としての意義を持ち、その他の水素貯蔵材料にはない特異な特性と機能を発揮する. 本研究では、アルカリ水溶液として安定化されたこの水素貯蔵・供給材料から「必要に応じて必要な速度で必要な量の水素を発生させる」ことのできる水素発生触媒としての機能をMg_2Ni合金のプロチウム誘起機能に求める試みに置いた. 本研究では、1991年に見出した水素吸蔵合金の表面改質法としてのフッ化手法の適用による水素発生触媒としての機能の開発に主眼を置いた.先ず、触媒として多用されているPt,Pd,Ruに始まる各種の金属系触媒が本水溶液では所期の目的を達成できないことを実験的に確認した上で、Mg系水素吸蔵合金の触媒機能をフッ化手法の適用の有無を考慮しつつ評価した. 詳細な実験結果から、F-Mg_2NiH_4>F-Mg_2Ni>Mg_2NiH_4>Mg_2Ni>F-Mg>Mgなる水素発生触媒性能が明らかとなった(ここで、"F-"は、フッ化処理済であることを意味する).XRD,EPMA,XPS,ICPS,EDSなどの各種の分析方法を駆使し表面形状を分析した結果、表面上に形成されたMgF_2、MgH_2などの存在の有無とそれらの形成による表面層上でのMg-NiH_4間の非化学量論的分布に原因があるとの結論に至った. Ni-H間の極めて強い結合力はB-H間の遙かに弱い結合力を一層弱める役割を果たし、水素発生速度を速める機能をもつものと判断した.Mg_2NiH_4とNa(K)BH_4との間の構造上の類似性を解析するには至っていないが、NiH_4^-構造がアルカリ水溶液中のBH_4^-構造に対して強い触媒機能を発揮することが知られた.いずれの構造においても水素は"H^-"、すなわち、"Protium ion"状態となっていることに着目し、今後の研究指針としたい.
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