研究課題/領域番号 |
12023213
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40201991)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 遷移金属錯体 / 電子相関 / 電子格子相互作用 / 光誘起相転移 / 非線形光学応答 |
研究概要 |
1.強相関一次元Ni錯体の光キャリアダイナミクス 強相関一次元系のプロトタイプであるハロゲン架橋Ni錯体について光励起状態の緩和のダイナミクスを調べるために、フェムト秒時間分解反射分光測定系を構築した。NiBr錯体について測定を行ったところ、光生成した励起状態は、極低温(4K)においても20ps程度のきわめて速い緩和を示すこと、また励起強度をわずかに増加すると励起状態の緩和時間が著しく減少することがわかった。これらの結果は、スピン励起による緩和過程が重要であること、また電子間相互作用に基づく多体効果が大きいことを示唆している。 2.複核Pt錯体における電子相制御と相転移の探索 昨年度に引き続き、[_I_pt-Pt_I_Pt-Pt_I_]なる構造を持つヨウ素架橋複核Pt錯体R_4[Pt_2(pop)_4I]を対象として、構造解析、反射分光、ラマン分光、帯磁率測定をもとに電子相の解明を進めた。その結果、ヨウ素を挟んだPt間距離が大きい錯体は、Ptの価数が二価と三価を交互にとる構造(電荷分極相)が基底状態になることがわかった。ヨウ素を挟んだPt間距離が減少してくると、CDW相があらわれ次にモットはバード相が実現することが明らかとなった。さらに、電荷分極相にある錯体に圧力を印加したところ、数種類の錯体において、CDW相への相転移(圧力誘起相転移)が生じることを見いだした。
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