研究課題/領域番号 |
12023214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
浅野 素子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80201888)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ポルフィリンダイマー / 項間交差 / 銅(II)錯体 / 交換相互作用 / Through-Bond coupling |
研究概要 |
複数の遷移金属錯体からなる集積系化合物群の期待される機能として、エネルギーや電子伝達機能、あるいは光エネルギー変換素子としての機能があげられる。このような系の中でおこるエネルギー移動、電子移動過程においては当然のことながら複数の不対電子が存在し、着目している反応の部分から離れたところにも金属不対電子が存在する場合が多々ある。大きな、複雑な系の中で、"離れた金属不対電子"はlong-rangeの相互作用を通して様々な物理、化学過程にどのような影響を及ぼすのか、明らかにし、一般的な理解に結びつく考え方を導くことを目的としている。 様々な光誘起過程のうち最も単純な過程の一つである項間交差過程に着目した。様々な架橋子をもつポルフィリンダイマーにおいて反磁性フリーベースポルフィリン部π電子系の項間交差速度が離れた銅ポルフィリンのd不対電子との交換相互作用によって著しく増加する。その項間交差速度を両者の相互作用で書き表す表式を導いた。また、実験で観測された架橋子依存性から交換相互作用におけるthrough bondモデルの検討をおこなった。 また、これと対応する常磁性のCu(II)-Cu(II)のポルフィリンダイマーにおいて2つのd電子間のスピンースピン相互作用の絶対値をESR実験をもとに明らかにした。その結果、2つの不対電子間の相互作用には双極子-双極子相互作用と交換相互作用の両者が寄与しているが、交換相互作用はこの場合もthrough bond型であることが明らかとなった。
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