研究課題/領域番号 |
12023228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森内 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60281119)
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研究分担者 |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | レドックス活性 / π共役系配位子 / キノンジイミン / アントラキノン / 集積型錯体 / d,π電子系 |
研究概要 |
本研究では、レドックス活性なπ共役系配位子に導入する遷移金属錯体の配位様式を制御することにより、レドックス活性な集積型錯体の次元設計を行い、新規d,π電子系の構築を目的としている。本年度は、キノンジイミン誘導体からなる共役系錯体の合成ルートの開発、さらにアントラキノン誘導体からなる共役系錯体の合成およびその構造特性について検討した。 ヨードシルベンゼン共存下、パラフェニレンジアミンを三座の配位子からなるパラジウム錯体BPHEPA-Pdと反応させたところ、共役系錯体1が得られた。X線結晶構造解析からも、イミン窒素がパラジウムに配位したアンチ型の1:2錯体であることが判明した。共役系錯体1は溶液中において、キノンジイミン部位のアンチ型およびシン型が平衡で存在し、エンタルピー的に0.7kcal/molシン型が安定であることが判明した。また、共役系錯体1のサイクリックボルタモグラムにおいて、キノンジイミン部位の還元に基づく2つの可逆な酸化還元波が観測された。 キノン誘導体は触媒反応におけるレドックスメディエーターになると考えられている。また、アントラキノン誘導体はπ共役系分子であり、結晶場においてπ-π相互作用に基づく組織化が可能であると考えられる。このような観点から、アントラキノン誘導体からなる共役系錯体システムを設計合成した。二核配位子1,5-{2-(2-ピリジル)エチルアミノ}アントラキノンは酢酸パラジウムと共役系二核錯体2を形成することが各種スペクトルから明らかとなった。X線結晶構造解析から、キノン酸素がパラジウムの配位に関与しており、2つのパラジウムがキノン部位で架橋された構造をしていることが判明した。また、サイクリックボルタモグラムにおいて、パラジウムと錯形成することによりキノン部位に基づく2つの酸化還元波が大きくアノードシフトしており、d,π電子系形成が示唆された。
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