研究課題/領域番号 |
12023255
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
岩野 薫 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (10211765)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ハロゲン架橋金属錯体 / 電子格子相互作用 / 電子相関 / 電荷密度波 / モット絶縁体 / CDW / SDW / 相変化 |
研究概要 |
Pd/Ni混晶型ハロゲン架橋金属錯体(Ni_xPd_<(1-x)>(chxn)_2Br_3)の基底状態について理論的な考察を行った。特に、それまでに筆者自身によって平均場近似により得られていた予想、すなわち、「少なくもとNi濃度が50%を超えると、ハロゲン格子変位が全域的に消失し、同時にNiのみならずPdイオンもスピン1/2を有する3価になる」を確かめるべく、以下の3点についてより深い研究を行った。 1.Ni濃度の連続的な増加に対応した格子変位の消失過程。 2.NiバンドとPdバンドの重心がずれた効果。 3.平均場近似を超えた電子相関の効果。 まず第1点については、この過程が電子格子相互作用によって敏感に変化することがわかった。すなわち、より弱い電子格子相互作用に対して格子変位はより急激に消失する。また適当な同相互作用の値を選ぶと実験で得られているラマン強度の組成比依存性を定性的に説明できることが分かった。 次に第2点および第3点については、これらはどちらも現実の系において存在する効果であり、それまでの研究において無視されていたものあったが、本研究では、それらの効果をモデルに顕わに取り入れて扱った。その結果、まず前者においては、そのズレによって一方から他方への電荷移動が起きてそれに起因する格子変位が発生するが、それは格子の零点振動程度で微少であること、そして、第3点については、電子相関を取り入れても平均場近似と同じ結論が得られることを確かめた。
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