研究課題/領域番号 |
12023256
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柘植 清志 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60280583)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | キノン錯体 / 分子内電子移動 / 酸化反応 / 酸素発生 / ルテニウム錯体 |
研究概要 |
単核ルテニウムキノンアクア錯体、[Ru(tpy)(di-butyl-quinone)(H_2O)](ClO_4)_2研究により、この錯体上ではアクア配位子が脱プロトン化によりヒドロキソ配位子になる際に、ヒドロキソ配位子からキノン配位子へ分子内電子移動が起こることを明らかにしてきた。本研究では、このような特徴を持つ単核キノンアクア錯体を、距離及び向きを含めた適切な位置に二核化配位子によって集積し、高効率の酸化反応を進行させることを目的とした。 このために二つのターピリジンを剛直なアントラセンで架橋した新規配位子、1,8-bisterpyridylanthraceneを合成した。この配位子の構造解析を行いターピリジル間の距離が4.9Åと金属中心を十分に近接できる距離にあることを確認した。このような二核化配位子を用いてキノン錯体を合成した所、二核ヒドロキソ錯体が得られた。電気化学的測定、及び電子スペクトルから、単核錯体同様、二核錯体でも脱プロトン化により分子内電子移動が進行することを明らかにした。また、この二核錯体が水に不溶であることを利用して、修飾電極を用いた水の酸化反応を試み、1.7V(Ag|AgCl)、pH4.0の条件で水が触媒的に酸化され酸素が発生することを明らかにした。更に、有機基質の酸化反応についても検討を行い、塩基とAgClO_4の共存下、芳香族二水素化物の酸化が触媒的に進行することを明らかにした。単核錯体では10%程度の効率でしか進行しなかったシクロヘキサジエンやジヒドロナフタレンの酸化反応が90%以上と、ほぼ定量的に進行し、集積により反応性が向上することが明らかとなった。一方、単核錯体では40%の効率で進行したジヒドロアントラセンの酸化反応は全く進行せず、反応部位が立体的に込み合っているため、基質選択性が向上し小分子に特異的に酸化反応が進行することもわかった。
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