研究課題/領域番号 |
12024231
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
権藤 洋一 理化学研究所, 個体遺伝情報研究チーム, チームリーダー(研究職) (40225678)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヒトゲノム / タンデム反復配列 / サテライトDNA / ゲノム;不安定性 / 突然変異 / ゲノム機能 / ゲノム構造 / 脱ユビキチン化酵素 |
研究概要 |
世代間10%という超可変性を示すヒト4p15領域に存在するRS447メガサテライトDNAは単位長4746bpのタンデム反復配列構造をもつ。単位長内には1590bpからなるORF様配列があり脱ユビキチン化酵素と高い相同性を示す。RS447相同配列はサル、ウシ、ウサギ、イヌ、ブタ、チャイニーズハムスター、ラットにも存在し、イヌ、マウス以外ではタンデム反復構造も示唆された。チャイニーズハムスターやラットよりも、マウスDUB-1、DUB-2の方が、ヒトRS447配列と高い相同性を示したが、マウスにおいては顕著なタンデム反復構造はない。本年度は、ヒトRS447反復配列の生物学的機能、とくにその中のORFにコードされている脱ユビキチン化酵素様の配列について検討した(Saitoh et al.,Genomics)。RNA blotting解析を行った結果、心臓、脳、肝、骨格筋に約2.4kbの転写産物が認めらた。想定される開始コドンの-89のGが転写開始塩基とわかった。また+2367と+2388が3′端と推定されpolyA付加サイトも+2321、+2362にそれぞれ存在している。転写長は2.47kbとなり、RNA blottingの結果と一致した。プロモーター活性解析の結果、-179から-143に必須な配列を同定した。この領域には逆向きのCAATボックスがあり、実際にCATCに置換すると転写活性が失われた。ちなみにTATAボックスは確認できない。ORFによってコードされる530残基ペプチドには、脱ユビキチン化酵素共通のCysドメイン、Hisドメイン領域がよく保存性されている。ヒト遺伝子命名法ガイドラインに沿ってこのペプチドをUSP17と名付けた。E.coliで発現させたUSP17は、実際に、T7タッグをつけたユビキチン化GFPを脱ユビキチン化した。しかし、CysドメインのCys-89をSerに置換したUSP17(S89)ではこの脱ユビキチン化は起こらなかった。以上より、RS447ORFにコードされるUSPは脱ユビキチン活性を持つことが証明された。
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