研究課題/領域番号 |
12025204
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 寛 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (60222113)
|
研究分担者 |
高橋 秀夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90013333)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | RNA polymerase / sigma factor / chloroplast / differentiation / Arabidopsis / photosynthesis |
研究概要 |
これまでの研究で、6種のシロイヌナズナ葉緑体シグマ因子遺伝子のうち、SIG2(第一染色体上腕部)へのT-DNA挿入変異株(以下3117株)の単離に成功している。この株では、発芽初期から光合成組織が黄緑色を呈し、顕微鏡的にも発達不全の小さな葉緑体しか形成することができない。そして、シグマ因子の保存領域3に対応する位置にT-DNAが挿入されていること。SIG2遺伝子を含むゲノム領域の導入により表現形質が相補されることから、3117株ではSIG2機能が失われているものと考えられる。SIG2が葉緑体シグマ因子遺伝子であることから、何らかの葉緑体遺伝子の転写異常が黄緑化の原因と考え、光合成系遺伝子などの転写産物の発現を解析したが、変化は見られなかった。また、rbcSやcab等の核コードの光合成遺伝子の発現にも影響がなかった。しかし、Western法による蛋白質量の解析では、光合成関連の蛋白質量がかなり減少していた。mRNAと蛋白質量が対応しないことから、翻訳や蛋白質の安定性関連の因子の関与が示唆された。このような視点から、翻訳装置関連遺伝子の発現を中心に解析を進めたところ、葉緑体発達過程において複数種のtRNA量が明らかに減少していることを見出した。その中には、翻訳開始に必須なtrnfM-CAUや、クロロフィル生合成の初期段階に必須なglutamyl-tRNA(trnD-GUC)も含まれていた。SIGB欠損による葉緑体分化不全は、かなりの部分がこれらtRNA量の減少により説明しうると考えられた。
|