研究課題/領域番号 |
12026211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平良 眞規 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60150083)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アフリカツメガエル / オーガナイザー / 神経誘導 / 収斂伸長運動 / ホメオドメイン蛋白質 / Xlim-1 / cerberus / Xror2 |
研究概要 |
アフリカツメガエルのオーガナイザーに発現するLIMホメオドメイン蛋白質Xlim-1はオーガナイザー活性に関与していることが示唆されている。したがってXlim-1の標的遺伝子を解析することでオーガナイザーにおける分子カスケードの一端を明らかにすることができると考えられる。そこで多分化能をもつ外胚葉外植体で活性化型Xlim-1/3mにより発現誘導される遺伝子を検索した結果、cerberus(cer)とレセプター・チロシン・キナーゼXror2が見い出されたことより、cer遺伝子のプロモーター解析とXror2の機能解析を行った。(1)cerberus遺伝子のプロモーター解析:cerberusのゲノム遺伝子のプロモーターをルシフェラーゼにつないだレポーター・コンストラクトを用いて解析した結果、(i)Xlim-1/3mの反応領域は0.58kbで十分であること、(ii)-141から-118の領域に含まれる3個のホメオドメイン結合配列TAATの点変異導入により、Xlim-1/3mおよび胚の背側での発現が大きく消失すること、(iii)Xlim-1/3mを発現させた胚の抽出物とのゲルシフト・アッセイによりXlim-1/3mは上記TAATに結合すること、(iv)野生型Xlim-1はホメオドメイン蛋白質Otx2、Siamoisと協調的に作用し、中胚葉・ホメオドメイン蛋白質Mix.1がこの協調性をさらに増強すること、が明かとなった。これらの結果はcerberusがXlim-1の直接の標的遺伝子であることを示唆している。(2)Xror2の機能解析:野生型Xror2および細胞内ドメイン欠失変異体Xror2-TMをアフリカツメガエル胚の腹側あるいは背側の中胚葉領域に過剰発現させ発生過程に対する影響を調べた結果、(i)Xror2とXror2-TMは共に細胞の分化形質を変化させないが、原腸陥入を引き起こす細胞運動の1つである収斂伸長運動を阻害すること、(ii)野生型および細胞内ドメインの欠失変異体Xror2-TM共に類似の活性を持つことより細胞外ドメインが活性に重要であること、が明かとなった。以上のようにXlim-1は標的遺伝子を介して神経誘導活性と細胞運動の双方に関与していることが示唆された。
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