研究課題/領域番号 |
12026216
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 慎治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60206753)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 発生 / 受容体 / マウス / Frizzled / 細胞間相互作用 / Wnt |
研究概要 |
脊椎動物には少なくとも18個のWntが存在し、その受容体としてはFrizzledが考えられているが。直接的な証明はまだない。本研究では、我々がクローニングした新規Frizzled遺伝子に着目し、その発現パターンの解析、Wntタンパク質に対する結合能の解析、ならびにノックアウトマウスの表現型の解析から、このFrizzled遺伝子がWntの受容体として機能しているかどうかについて検討した。マウス胚における発現パターンの解析の結果、この遺伝子の発現はWnt-3aを含む多くのWnt遺伝子の発現と良く対応していた。次に、Frizzled-10が実際にWntタンパク質と物理的に相互作用するかどうかを調べるため、HEK293細胞にFrizzled-10遺伝子の細胞外ドメインおよびWnt-3a遺伝子を強制発現し免疫沈降したところ、両者が共沈することが確認され、Frizzled-10はその細胞外ドメインを介してWnt-3aと結合する能力があることが示された。さらに、Frizzled-10ノックアウトマウスを作製しその表現型を解析したところ、ホモ変異体はほぼメンデルの法則に沿った比率で出生したが、ほとんど個体でWnt-3a変異体マウスの表現型である尾の屈曲が観察された。以上のことからFrizzled-10がマウスの形態形成過程においてWnt-3a受容体として働いている可能性が示唆された。しかしながら、ここで観察されたFrizzled-10ホモ変異体におけるWnt-3a変異体様の表現型は、その機能を完全に欠失させた変異体(null allele)のものに比べ軽微であり、実際の発生過程においてはFrizzled-10以外にもWnt-3a受容体として働いている分子があることが考えられた。
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