研究課題/領域番号 |
12026217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
永渕 昭良 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (80218023)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | カドヘリン / αカテニン / βカテニン / ターゲティンクー / F9細胞 / Wnt / 上皮 / 細胞間接着 |
研究概要 |
本研究は上皮組織構築におけるカテニンの役割に焦点を絞り解析を進めている。本年度は以下のような結果を得た。 1.βカテニン遺伝子欠損F9細胞作成の試み。βカテニン遺伝子を1つ破壊した時点でのサザン解析によりβカテニン遺伝子はF9細胞では3n状態になっており、完全なβカテニン欠損細胞を得るには3回の相同組み換えが必要であることが分かった。一方βカテニンは多様な機能を持つことが知られており、この遺伝子の完全欠損はF9細胞に致死性をもたらす可能性も考えられるため、ノックイン型のターゲティングベクターの作成を行った。このベクターではβカテニン遺伝子を破壊すると同時に外来性のタグ付きβカテニンを発現させるように構築されているため遺伝子が破壊されてもβカテニン蛋白質の発現は無くならない。さらにタグ付きβカテニンcDNAはloxP配列で挟まれているため、Creの導入によりタグ付きβカテニンの発現を除くことが可能である。 2.αカテニンの転写後発現調節とβカテニン依存性のWntシグナル。αカテニンcDNAの5'非翻訳領域がαカテニン蛋白質の発現に抑制的に働いている可能性を示し、この領域を欠いたcDNAを含む発現ベクターからは多量のαカテニン蛋白質が合成されることを示した。次にこのαカテニシの発現ベクターを導入したL細胞におけるWntシグナル伝達を検討した。その結果、元のL細胞ではWntの添加によりβカテニン・Tcf依存性の転写を活性化出来るが、外来性のαカテニンを多量発現している細胞ではαカテニンがβカテニンの核移行を押さえ、転写の活性化が見られなくなることが分かった。今後、このαカテニン高発現ベクターはβカテニンシグナルの生体内での役割を解析するための重要な道具にないうると考えられる。
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