研究課題/領域番号 |
12026219
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
和田 洋 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60303806)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Hox / エンハンサー / AP2 / ナメクジウオ / ホヤ / 神経冠 / レチノイン酸 |
研究概要 |
脊椎動物においてHox遺伝子がどのようにして神経冠やプラコードでの新たな発現を獲得したかを調べた。AmphiHox1の3'側にあるDNA断片1Aにはレチノイン酸からのシグナルに応答し、神経冠及び神経管での発現を活性化するエレメントがあることがわかっていた。したがって、神経冠での新しい発現の獲得は、レチノイン酸に応答するシステムが神経冠で新たな機能を獲得したことによって進化したと考えられた。一方、AmphiHox3の5'側にはレチノイン酸に応答して神経管でのみ発現を活性化するエレメントがあることから、神経冠での新しい発現は単純にレチノイン酸レセブターが神経冠での機能を獲得した結未ではなく、レチノイン酸レセプターと協同して発現を制御する別の因子が複数あり、そのうちの二つが脊椎動物で神経冠での発現の制御にリクルートされたと考えられる。このような因子の候補に、脊椎動物のHoxa-2の神経冠での特異的な発現に関わうているAP2が挙げられる。このAP2がホヤやナメクジウオでもHox遺伝子の制御に関わっていれば、AP2の神経冠での新たな発現の進化がHox遺伝子の神経冠での新しい発現を可能にしたと考えられる。そこで、ホヤのAP2遺伝子を単離し、発現を詳細に調べたところ、この遺伝子の発現は原腸胚期に表皮全体で始まり、神経管が閉じてくるに従って神経管と接する表皮で発現が活性化されることがわかった。この発現パターンは神経冠の起源がホヤの神経管に接する表皮にあるという仮説を支持する。しかし、Hox遺伝子の発現とはほとんどオーバーラップしないととから、Hox遺伝子の発現に関わっているとは考えにくく、別の因子が神経冠の新しい発現に関わっていると結論された。
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