研究課題/領域番号 |
12028209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西郷 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50136454)
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研究分担者 |
小嶋 徹也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80262153)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / ホメオボックス遺伝子 / Bar / 区画化 / 遠近軸 / Lim1 / cll / arisataless |
研究概要 |
本研究では、ホメオボックス遺伝子Barの個体発生における役割を、特に肢とnotum(背中)を中心に、位置情報シグナルや区画化のメカニズムに注目しながら調べている。本年度の研究で、肢原基でのBar転写に関わる初期エンハンサーを単離しDPPシグナルがBarの円環状発現の外側の半径の決定に関わっていることを示唆した。Barの内側では別のホメオボックス遺伝子arisatalessが発現している。arisatalessは、Barの内側での発現抑制に必要であるが十分ではない。Barの内側領域でarisatalessと共同でBar発現を抑制している因子を2つの手法で探索し、2つの新規肢分化遺伝子Lim1とcllを見出した。様々な遺伝学的、分子生物学的解析から、Lim1は脊椎動物のLim1のcounterpartでHIMドメインとホメオドメインを持つ蛋白質をコードし、arisatalessの転写活性化に必要であることが分かった。Lim1の発現は、arisatalessと同様、Barにより抑えられた。しかし、Lim1欠失変異体でも、arisatalessは弱く発現しており、その弱い発現だけで十分にBarの円環の内径を抑制できるので、Lim1は、求める遺伝子そのものではないこと思われる。一方cllは、ホメオドメインを持つ別の蛋白質をコードし、その欠失によりarisatalessとほとんど同様の表現型を示すことが見出された。arisatalessの完全欠質変異体と同様、cllの完全機能喪失体では、Barの内側での発現抑制が完全に喪失していた。従って、Lim1と異なり、cllはarisatalessと共同でBar発現を内側から抑制ている可能性が大きい。興味深いことにcllは、Barと同様にコレプレッサーが結合すると予想されるFILモチーフを持っていた。同じコレプレッサーが領域特異的なホメオボックス遺伝子産物に結合し、その拮抗によりBar発現領域の区画化が制御されていると強く示唆された。
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