研究課題/領域番号 |
12028235
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
松井 隆司 産業医科大学, 医学部, 助教授 (10140906)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 核内レセプター / RORa / GR / 転写制御 / クロストーク / コアプロモーター / メディエーター |
研究概要 |
RORa依存的なPcp-2プロモーターやGR依存的なMMTVプロモーターの転写で観察されるこれら二つの核内レセプター間の負のクロストーク機構を解析した。その結果、RORaのC-末に存在する類似したアミノ酸配列が9回繰り返す領域が、また、GRの核移行シグナルを含むDNA結合ドメイン領域がそれぞれクロストークに必要であることが明らかになった。用いたプロモーターの解析やEMSA法によるDNA結合実験から、他の転写制御因子のクロストークへの関与の可能性、RORaとGRとの直接の相互作用によるクロストークの可能性が否定された。また、クロストークにGRのリガンドドメインが必要でないことから、SRC-1など既知のコアクチベーターでなく新規のメディエーターが関与している可能性が示唆された。一方、他の遺伝子の転写制御の解析から、ROREおよびGREがサポシン遺伝子(pSAP〉プロモーターに対して不活性であることを見い出したので、クロストークに与えるコアプロモーターの影響を調べた。その結果、RORE依存的なtkプロモーターの転写はGRにより抑制されず、またパリンドロームGRE依存的なtkプロモーターの転写もRORaにより抑制されないが、5つのhalf-siteから構成されるMMTVのGRE依存的な転写では抑制されることが明らかになった。RORaとGRとの間の負のクロストークはコアプロモーター特異的であり、またGREの型にも影響されることから、RORaあるいはGRと相互作用するメディエーターを含めた転写開始複合体内のタンパクがコアプロモーターにより異なり、この違いがそれぞれの核内レセプターによる転写活性化ばかりでなく、クロストークにも影響を及ぼしていると示唆された。今後、転写開始複合体内の因子も含めてこの負のクロストークに関与する因子を同定する計画である。
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