研究課題/領域番号 |
12029202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中村 幸治 筑波大学, 生物科学系, 講師 (40212097)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 細胞内低分子RNA / 枯草菌 / RNAワールド / 転写制御 / ギャップ構造 / ゲノム / リボ制御 |
研究概要 |
真核生物および原核生物において、多種類の低分子RNAが存在し、重要な機能を有していることが明らかとなっている。特に、原核生物では、これらの低分子RNAが、転写、翻訳レベルで、遺伝子の発現制御に関わっている。ゲノム上の全遺伝子情報を解析し、機能面でのネットワークを解明する上で、低分子RNAの機能解析は重要である。本研究では、枯草菌において、全ての細胞内低分子RNAを網羅的に同定し、構造解析を行うことを目的とする。 枯草菌の対数増殖期の菌体の全RNA中に10種類程度の低分子RNAの存在を確認した。ノーザン解析から、このうち、4種類は5S RNA、scRNA、tmRNA、M1 RNAであった。長さが200塩基付近の2本のバンドについて(BS190RNA、および、BS200RNA)、ゲル抽出後、3'末端へpoly(A)付加して作成したcDNAの塩基配列を決定した。aspS-yrvM遺伝子間のギャップ領域にコードされていた。両末端の解析から、BS200RNAから、5'末端の10塩基が切断され、BS190RNAとなることが示唆された。BS190RNA遺伝子の欠損変異株では、増殖能の低下が見られ、タンパク質合成も一部阻害されていた。一方、X6 Hisタグを付加したRNAポリメラーゼβサブユニットを発現する枯草菌から調製した菌体抽出液に対してNi-NTAカラムを用いたプルダウン実験により、BS190RNAは、特異的に、RNAポリメラーゼホロ酵素と結合する事が示唆された。 今年度解析を重点的に行ったBS190RNA(前駆体は、BS200RNA)は、数種類のタンパク質の合成に転写レベルで関与すると予想された。BS190RNAに相同なRNAは他生物になかった。一方、ゲノム上の500塩基以上の100カ所のギャップ配列のノーザン解析の結果から、調べた50箇所のうち、20箇所について転写物の存在が確認できた。
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