研究課題/領域番号 |
12031205
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
水澤 英洋 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30144091)
|
研究分担者 |
田邊 勉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70183069)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 脊髄小脳変性症 / 皮質性小脳萎縮症 / SCA6 / Caチャンネル / Purkinje細胞 / 電位依存性不活性化 / ポリグルタミン |
研究概要 |
脊髄小脳変性症6型(SCA6)は、Purkinje細胞優位の脱落と小脳失調を呈する常染色体優性の神経変性疾患で、α1A電位依存性Ca2+channel遺伝子内のCAG repeatの異常伸長と関連している。本研究ではSCA6遺伝子変異によりCaチャンネルにどのような機能障害が生ずるかを培養細胞を用いて検討し、Purkinje細胞優位の神経細胞死との関連を検討した。 まず、MouseのPurkinje細胞の単一細胞RT-PCRにより、Purkinje細胞においては、P型channelに相当すると考えられているdomain IVのasparagine-proline(NP)の塩基配列を持たないα1A-Ca2+channel[1A(-NP)]が優位であると考えられた。従って、polyglutamine数の異なる、NPを持つあるいは持たないヒト全長α1A-Ca2+channelをHuman Embryonic Kidney293細胞に発現させ、patch-clamp法により解析した。P型channelに相当すると考えられるα1A(-NP)においては、polyglutamine数が24回、28回のものでは、電位依存性不活性化が13回のものに比べ6ないしは11mV過分極側にシフトしていた。一方、Q型channelに相当すると考えられるNPを持つα1A-Ca2+channel[α1A(+NP)]においては、polyglutamine数28回のものでは13回のものに比べ電位依存性不活性化で5mV脱分極側へのシフトを認めた。この結果は、SCA6遺伝子変異によりCaチャンネルの機能障害が生じることを明瞭に示している。 この機能障害と細胞死との関係は今後の課題ではあるが、一つの可能性としてα1A(-NP)を優位に発現するPurkinje細胞は、電位依存性不活性化の過分極側へのシフトの結果Ca2+influxが減少するために変性し、一方、α1A(-NP)とα1A(+NP)を共に発現する他のニューロンは、α1A(+NP)で電位依存性不活性化の脱分極側へのシフトによりCa2+influxの減少が代償されるために変性を免れることが推測された。
|