研究課題/領域番号 |
12031209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
下濱 俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (60235687)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | パーキンソン病 / ドーパミンニェーロン / 細胞死 / エストロゲン / アポトーシス / エストロゲンレセプター / AP-1 site / カスペース |
研究概要 |
ラット腹側中脳の初代培養を用いてBleomycin sulfate(BLM)あるいはButhionine sulfoximine(BSO)によるアポトーシスに対し、17β-estradiolが抗アポトーシス作用を有するか否かを検討した。BLMおよびBSOによる神経細胞死はDNA断片化、核クロマチンの凝集をともない、caspase-3阻害薬や、JNK/AP-1活性化抑制薬であるcurcuminによって拮抗された。curminはcaspase-3活性化を抑制しなかったが、caspase-3拮抗薬はJNK2の増大を抑制したことより、caspase-3の活性化とその下流でのJNK2活性化を介していることが示された。17β-estradiolは1〜10nMでBSOあるいはBLM誘発アポトーシスを抑制し、この抑制作用は、エストロゲン受容体拮抗薬によって遮断された。また、17β-estradiolはBLM,BSO刺激によるcaspase-3活性化やJNK2増大に影響を与えなかった。これらの点から、17β-estradiolはERβを介し、caspase-3やJNKの活性化の下流で抗アポトーシス作用を呈すると考えられた。ERはEREを介した転写調節ではダイマー形成を必要とするが、AP-1 consensus elementを介し転写調節をする際には二量体を形成しないことから、ERのダイマー形成を合成ペブチドで抑制してその影響を調べた。その結果、抗アポトーシス作用はダイマー阻害薬によっては抑制されず、AP-1 siteを介した転写調節である可能性が示された。また、BSO刺激によってAP-1産物であるTNF-αが増大したが、17β-estradiolはこれを抑制した。17β-estradiolはERβに結合し、AP-1 siteを介した抑制的転写調節により抗アポトーシス作用を示すものと考えられた。
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