研究課題/領域番号 |
12031221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90159129)
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研究分担者 |
新田 淳美 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20275093)
野元 裕 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (80164747)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 黒質-線条体 / イムノフィリン / サイクロスポリンA / グリア細胞株由来神経栄養因子 / タクロリムス / パーキンソン病 / 酵素免疫測定法 / 脳由来神経栄養因子 |
研究概要 |
免疫抑制剤は現代の医療においては欠かすことに出来ない薬剤である。免疫抑制剤が生体内で結合する部位はイムノフィリンと総称され、当初はT細胞の細胞質に存在することが報告されていた。しかし、免疫系の約100倍のイムノフィリンが脳に発現していることが見出され、その役割について注目されている。我々は、これらイムノフィリンが神経栄養因子的に働いているのではないかと仮説をたて、本研究をおこなった。 サイクロスポリンやタクロリムスのようなイムノフィリンリガンドをラットやマウスに連続投与すると脳内で脳由来神経栄養因子やグリア細胞株由来神経栄養因子ことやパーキンソンモデルマウスに投与するとドパミン作動性神経系の障害を保護することを昨年までに見出した。 しかし、これらの免疫抑制剤は、免疫抑制効果を併せ持つため、中枢変性疾患の治療薬としての候補化合物にはなりえない。そこで、今年度はそれらの結合タンパクとの結合部位に注目して、ジペプチドの神経栄養因子の産生誘導効果について検討した。 Leu-ILe,Leu-Pro等のジペプチドを作成した。これらを培養ラット神経細胞に添加したところ、いくつかの種類の神経栄養因子の産生が誘導された。また、培養神経の細胞死を有意に抑制した。さらに、これらペプチドには免疫抑制効果は全く観察されなかった。 今年度の本研究において、免疫抑制作用のないイムノフィリンリガンドの開発に成功した。次年度は、これらジペプチドを、中枢変性疾患モデルマウスに投与した場合の作用について検討したいと考えている。 本研究の結果は、今まで抜本的な治療法が存在しなかったパーキンソン病の患者に対して大きな福音をもたらすと考えられる。
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