研究課題/領域番号 |
12032207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 教授 (10093428)
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研究分担者 |
辰己 仁史 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20171720)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 内皮細胞 / 伸展刺激 / リモデリング / 機械センサー / インテグリン / 細胞骨格 / カルシウム |
研究概要 |
血管内皮細胞は紡錘形を呈し、血管走行に対してその長軸を平行に配列している。この形態と配列は血管周方向の周期的伸展刺激で生じることが分かっている。我々はこれまでに、{伸展刺激→SAチャネル活性化→細胞内Ca上昇}という機械受容変換機構が形態応答に必須であることを示してきた。しかし、細胞内Ca^<2+>濃度の空間分布はほぼ均一なので、この仕組みだけでは方向性のある形態応答は説明できない。そこで、伸展刺激を直接受容するインテグリン/細胞骨格系が伸展刺激の方向感知センサーとして働き、SAチャネルと共同して形態応答を導くという仮説を立てた。本研究の目的は、インテグリン/細胞骨格系が機械刺激の方向センサーになるか否かを検証することにある。そのために、インテグリン/細胞骨格系に機械刺激を与えたときのインテグリンの動態を解析した。まず、1)直径数μmのグラスビーズにフィブロネクチンをコートして細胞に接着させた。2)グラスビーズの接着面には、接着斑が形成され、そこから細胞骨格が伸びて底面の接着斑に連結していた。3)この状態でビーズを水平方向に引っ張ると、引っ張られる方向に連結している細胞底面の接着斑が次第に消失した。4)つまり、ビーズに与えられた力が、接着斑/細胞骨格を介して底面の接着斑に伝わり、インテグリンの動態が修飾された。5)この力の伝達経路をより明瞭に証明するために、細胞底面でのCa^<2+>流入を近接場光で測定した。その結果、伸展刺激が加わると思われる細胞底面の領域で、機械刺激に応じた高速のCa^<2+>流入が認められた。 本研究によって、インテグリン/細胞骨格系が機械刺激の方向センサーとして働くことが強く示唆された。また、インテグリンは機械刺激によって接着力が弱まり、細胞内に取り込まれることが示唆された。
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