研究課題/領域番号 |
12032220
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
室原 豊明 久留米大学, 循環器病研究所, 講師 (90299503)
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研究分担者 |
新谷 理 久留米大学, 医学部, 助手 (20309777)
池田 久雄 久留米大学, 医学部, 助教授 (50168134)
今泉 勉 久留米大学, 医学部, 教授 (60148947)
佐々木 健一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (70320190)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 内皮前駆細胞 / 虚血性心疾患 / 血管再生 / 慢性閉塞性動脈硬化症 / 血管形成 / 血管新生 / 血管内皮細胞 / 側副血管 |
研究概要 |
從来成人における血管新生は、既存の内皮細胞の増殖と遊走によるもの(Angiogenesis)のみであると考えられてきたが、成人末梢血中に内皮前駆細胞が存在することが示唆された。成人の内皮前駆細胞は骨髄由来である。さらに内皮前駆細胞はCD34陽性細胞由来であることから、G-CSF、GM-CSFなどの造血性サイトカインによる骨髄からの動員が可能であろうと思われる。G-CSFは現在すでに臨床応用され末梢血幹細胞移植時の骨髄刺激因子として応用されている。近年G-CSFの多彩な生理活性が明らかにされ、内皮前駆細胞に対しても骨髄からの動員を促す可能性がある。本研究では、G-CSFが(A)骨髄から内皮前駆細胞を動員するかいなか、および(B)虚血組織の血管新生を促すことができるか否かを検討した。 1)rhG-CSF(5μg/kg BW/d)背部皮下投与は、ラット末梢血白血球数を有意に増加させ、中止後は再び正常値に復帰した。従って、ラットにおいてfunctionalであった。末梢血単核球培養法において、細胞クラスター(コロニー)は十分に形成されたが、内皮前駆細胞様-細胞の発芽はむしろ抑制された。 2)ラット背部皮下にrhG-CSF(5μg/kg BW/d)を7日間連続投与した群(rhG-CSF群)においては、血管新生の程度にコントロール群と有意な差は出なかった。 rhG-CSFによる末梢血への幹細胞動員においては、共通の幹細胞から顆粒球系への分化が主に進み、内皮前駆細胞の分化や動員はむしろ抑制されるのではないか。rhG-CSFにより末梢血への内皮前駆細胞の動員が抑制されても、虚血下肢における血管新生に影響が無かったことより、(少なくともこのモデルに関しては)流血中の内皮前駆細胞の血管新生における関与は比較的少ないのではないか。
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